夢想花 壱

□キンセンカ
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「よう!ミオっ」


「あ、アリババ君!
 また傷だらけだね、今日もシャルルカン様に?」


「そう、あの人修行の時だけ人が変わるからなあ」






私の隣に座るこの人はアリババ君。



私は夕方、毎日こうやって海岸まできて
夕日を見に来る。

アリババ君と会った日も
夕日を見にきていて、いつも座ってる場所に先客がいた。

その人がアリババ君で
思い切って話しかけてみたら仲良くなった。

それからは時々来てくれるようになって
王宮での話や、友達の話、私の知らない世界の話。




いろんなことを話してくれた。








中でも一番よく話してくれるのが
迷宮の話。金属器とか、迷宮アイテムについて
いつも熱く語っている。

最近知ったことだけど、アリババ君も迷宮攻略したらしい。

その時の話も聞かせてもらったが、なかなか壮絶な話だった。




「ミオは今日どうだった?」

「今日は果物がよく売れて大繁盛だったの。
 でも、その分忙しくて大変だったかな〜」







お客さんに紛れてオラミーがきたとか
迷子がいたとか、そうゆう何気ない話。

修行でなにがあったとか
友達のアラジン君のこととか、
アリババ君もいつもと変わらない何気ない話。






こんな時間がずっと続けばいいなぁなんて
思ってしまう自分がいることにちょっとびっくりしていて

アリババ君が来なかった日は
すごく気落ちしてしまったりとか・・・



話せた日は浮かれすぎて転ぶし、
夜なんて眠れないし。




もう、これって好きなんだなって思った。
我ながら重症だ。
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