夢想花 壱

□無口
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「それでフラれたんスか・・・。」

「・・・はい。
 私はそんなにつまらない人間ですかね。」







知り合いの男性に告白されて
一週間で別れることになった私。


理由はつまらないから。








無口だけど雰囲気がおっとりしてて良いとか
一目惚れしたとか言われて告白というものをされた。

最初のうちは何が好きとか嫌いとか
友達作るときの会話みたいで、彼の質問に答えるだけだった。




そして三日後には今日はあれがあったとか
何があって嬉しかったとか

そうゆう普通の会話になってしまった。





もともと人と話すのは得意じゃなかったけど
私なりに頑張って答えていた。

だけど、あっちは答えてくれるのは別に何も思ってなかったみたいだが

こっちから話してくれないことがつまらなかったらしい。







そして今日
「ごめん。やっぱり別れよう。」




「無口なのは知ってたけど、こんなにつまらないとは思わなかった。」

とだけ言い残して去って行った。












フラれた瞬間、マスルールさんがいるであろう森に
走って会いに来た。


好きだったわけじゃないけど
涙が止まらないんだ。





涙でぐちゃぐちゃで
鼻をすすってうまく言葉がでない。








だけど、いつも私が言葉をゆっくり落ち着いて話せるまで待っててくれるマスルールさん。


人と話すのは本当に苦手。




何を話せばいいかわかんなくて

頭の中でぐるぐるしながら考えていると
相手の顔が見えて焦る。





はやく。速く。早く。

なにか話さないと、ってなって。




それでも、ひとつひとつ自分の言いたいことをゆっくり
言葉として伝える。


でも、それが遅いから
飽きられて友達も少ない。
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