小さな勇気(進撃)
□8話
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「オイ、あの芋女まだ走らされてるぞ、」
芋女ーサシャ・ブラウス。先程教官の問いの時に芋を食べていたため、ずっと走らされている。
しかし、リズは全くそれに興味を示さず家の中に戻ろうとした時、
「あっ!エレン!この子、リズもシガンシナ区出身だよ?」
聞き覚えのある心地よい声がリズの名を呼んだ。
「ある、みん・・・あの時のアルミン、なの?」
「ああ、そうだよ。リズ昔と変わっていて全然気付かなかったよ。」
アルミンが微笑む。
それにリズは少し涙を滲ませた。
開拓地に連れていかれてからはアルミンや知人などとは引き離されていたため、長い間孤独だった。リズはアルミンとの再開をこんな形とはいえ嬉しいのだ。が、喜んで涙を流すのは開拓地によって勝手に身についたプライドに反するため頑張って涙を引っ込める。
「私は、もうあの頃とは違うの。気軽に離しかせないでくれる?」
アルミンを冷たくあしらい、背を向け、家に入ろうとすると「おい」と一人の少年が声をかける。
「何だよ、お前、感じ悪いな。あの頃とは違う?そんなの知るかよ。アルミンの友達なんだろ?なんで冷たくすんだよ?」
「・・・・ちっ、うるさい奴だ。何だよお前、お前に私の気持ちがわかるのか?」
リズが少年の方を振り向き睨んだ。
ーー!!!
「お前・・・エレン、?」
「・・・?そうだけど?」
「リズ、エレンがわかるの?」
アルミンに問われ、頷く。
「超大型巨人が侵入してきたあの日、船の中で『駆逐する』って言ってた人でしょ?」
リズのその言葉にエレンは目を見開き、頷いた。
「そして貴女はエレンの横にいた、ミカサ、だったかしら?」
リズの問いに横にいた少女、ミカサが頷いた。
「やはり、お前達もここに来たのね。」
三人が目を合わせ、首を傾げた。
リズはそれに微笑み「こっちの話よ。」と答えた。
その微笑みにミカサを含めた三人が顔を赤く染めた。