小さな勇気(進撃)

□5話
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ーザワザワ...

「んーーっ・・・見えないなぁ、」

リズは幻聴で聞こえたのもあり、巨人の排除を仕事にする調査兵団を見ようとぐっと背伸びをした。


「ーーっ、!!」

目にしたものはあまりにも残酷だった。
殆どの人が血まみれで、酷い人は
腕をなくしていた。

「これだけしか帰ってこれなかったのか・・・」


「今回もひどいな・・・」

「100人以上で調査に向かったハズなのに・・・

20人もいないぞ・・みんな・・・食われちまったのか・・・」


ーーこれは・・・

リズが見た調査兵団の人々の顔は絶望にくれていた。


「あの・・・息子が・・・ブラウンが見当たらないんですが・・・息子は・・・どこでしょうか・・・!?」

調査兵団の団長らしき人に女性は問いかける。

団長は何かを団員につげると、団員は馬の上に乗っていたなにかを持ってきた。
団長はそれを受け取ると女性へと渡す。

「・・・・・・え?」

なにかーそれは、腕だった。
おそらくブラウンという団員のものだろう。

「それだけしか
取り返せませんでした・・・」


「・・・うぅ・・・・・・うぁ・・・・・・」

それを受け取った女性は泣き崩れた。

ーー酷いっ・・・


その光景を見てられなかったリズは急いでその場から立ち去った。




「・・・ーはぁっ、はあっ」

ある程度離れた場所についたリズは足を止めた。

ーー何、あれは・・・酷すぎるっ

ガタガタと身体が震える。それを抑えようとリズは肩をぎゅうっと抱く。


ーー巨人って一体どんなものなの?大きいだけじゃないの?
もしも壁を破ってここに来たらー?


考えただけで怖い。
どんなものかも想像がつかない。


「そんな、得体のしれないものを、私は排除しなきゃいけないの・・・?」

ーーいや、でもあれは幻聴で・・・


ーズキンッ

また、あの時の頭の痛みがリズを襲う。

「ーうっ・・・くぁああっ!」


リズは耐えきれずその場に崩れ落ち頭を抑える。


ーー『巨人が・・・』

予想通りの幻聴が聞こえ始めた。
しかし、前と話している言葉は少し違うようだ。
そのため、リズは頭の激痛に耐えながらも、幻聴に耳を傾けた。


ーー『・・壁・・・る、・・・れ!』

幻聴は前よりも長く文になっているようだが、途切れ途切れでよくわからない。


「・・・はぁ、はあ・・」

幻聴が聞こえなくなったとともに頭痛も少しずつおさまっていった。

服は汗でぐっしょり濡れていた。そのせいか少し寒気がする。

「・・帰らなきゃ、」

リズはもと来た道を歩き始めた。


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