小さな勇気(進撃)

□19話
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「リズ!」

リズが仕事場から離れ、いつもの場所に戻るとジルがとてつもない形相をして駆け寄ってくる。


「…じ、る……」

「大丈夫だった…?死体処理に回されていたんだろう?」

リズはそれを見て微笑んだ。

「…全然平気だったよ?」

「ふぅ…そうか、良かった……」

リズの言葉にジルも微笑むが、すぐに怖い顔に戻った。そしてリズを抱きしめた。

「…え…えと…ジル?」

リズはそれにひたすら戸惑いながら顔の温度を上昇させる。

「……リズ、好きだよ…」

「……!!?」

ジルはさらに抱きしめる力を強めた。そして「リズは?」と不安げな声で問う。

「わ、私も…好き……だよ…」

リズが顔を赤らめながらそう告げるとジルは微笑んだ。

「ありがとう、リズ。だったらなおさらだ、あいつを許さない」

ジルはその言葉がリズに届かないようにギュッと抱きしめた。




「あ、あの…ジル…?そろそろ離れたいな…何て…」

リズはオドオドとジルの腕の中を動く。

「はは…ごめんね、ほら
離れていいよ?」

ジルはリズを解放した。
その時ニコリと微笑んだが、その笑顔はどこか暗かった。

「あの…ジル…ー」

「リズ!もうすぐ訓令兵になれるな!」

「……う、ん」

ジルの笑顔に押されリズは言葉を飲み込んだ。

「あ…そうだ。俺、用事があったんだった!じゃあねリズ。また明日」

「あ…うん…また…」

リズは笑顔でジルを見送った。
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