小さな勇気(進撃)

□16話
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「あの…兄さん、エレンは?」

リズが問うとリヴァイは少し眉間にシワを寄せる。

「…奴も俺達の班に入る。お前には言ってなかったが明日から旧調査兵団本部へ移動するぞ」


「へ?何で…?」

リズが食いつくようにリヴァイを見る。
リヴァイは少し微笑むと説明を始める。


「奴…エレンは、人類の希望でもあるが裏を返すと強敵でもある。奴は巨人化すると自我を忘れそこらにいる巨人と同じ状態になる。しかしそれを制御さえすればいい。が、奴はそれが出来ない。だからこそ周りの奴等が研究し追求するしかない。その為に旧調査兵団本部に移る。」


ーー研究…

「そっか…わかった。ありがとね兄さん。」

リズはフッと息をついた。

「俺は会議がある。悪いが席を外す。それと、俺達が兄妹というのは調査兵団幹部しか知らない。それ以外には言うな。わかったな?
……寝坊するなよ」

「う、うん。おやすみ」


リヴァイはリズの頭を撫でると部屋を出て行った。


「何だか…大変な事になったな…エレン大丈夫かな、
それに旧調査兵団本部に行くならシェリーさんにも会えなくなっちゃう…」


リズがはぁっとため息を漏らした時だった。

ーガチャリッ

ハンジがドアを開けリズに歩み寄ってくる。
また、研究についてかと思っていたが…

「失礼するよリズ。君と面会をしたいって言う駐屯兵がいるのだけれどどうする?」

思わぬ言葉にリズは身を震わせ歓喜した。

ーーシェリーさんだ!!

「是非!!」

「…ふふ、わかったよ。少し待っていて」

ハンジは微笑むとドアを開けて人を呼ぶ。

「じゃあ、ごゆっくり」

ハンジがウィンクして部屋を出たと同時に一人の女性が入ってきた。


「シェリーさん!」

「リズ!」

シェリーはすぐにリズを抱き寄せた。

「良かった、良かったよぉ…会えて嬉しいよぉ…」


シェリーが泣きながら告げるとリズもそれに頷いた。

「私も会えて嬉しいです…っ生きててくれてありがとう…っ…」

リズがそれに涙を流す。

「リズ、調査兵団に入るんだってね…?」

「は、はい。」

リズが頷くとシェリーは顔を歪めた。

「…大丈夫なの?初陣でかなり怪我をしたって聞いたけど…」

シェリーはリズの頭を撫でた。

「…心配してくれてありがとう。
大丈夫です!確かに怪我したけど、今生きてますし…!」

リズはグッとファイティングポーズをする。
シェリーはそれに苦笑する。


「そうね…わかった。
けど、むりはしないでね…!!」

シェリーはギュっとリズを抱きしめる。

「ありがとう…」

リズは微笑んだ。
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