小さな勇気(進撃)

□15話
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「・・・ん」

「お、やっと目が覚めたね、リズ。」

リズが目を開き、体を起こすと、目の前には眼鏡をかけた女性、?がいた。


「リヴァイから、見ててって頼まれたんだよ。私はハンジ、よろしく。」


ーー!! そ、そうだ、兄さんは

ーズキッ

「・・っ」

「おっと。」

リヴァイを探しに行こうと体を動かしたが、色々なところが痛みハンジの胸に倒れ込んだ。体を見ると沢山包帯が巻かれている。


「・・っ、ご、ごめんなさい。」

リズはハンジに頭を下げると、離れる。


「・・・」

ハンジは何か思いつめたような顔でリズを見る。

「どうか、しましたか?」


「・・いや、あのね。
リヴァイに無理させるなって言われてるんだけど、どうしても聞きたいことがあるんだ。」

リズはハンジの言葉に"何だ、そんなことか"と思い、「良いですよ、なんでも聞いてください。」と微笑んだ。

「えっ!!?いいの?!本当に!!?」

「ええ、大丈夫ですよ。」

「じゃあ、君は巨人に食べられたらしいけど、どうやって出たんだい!?」

「えっ、えっと」

ハンジとの近すぎる顔の距離にリズは一瞬ひるんだ。

「・・よくわからないんですが、食べられた後、気がつけば巨人の体内にいて、近くにいたエレンと手を握って、それで、それ、で・・・ッ!?」

突然、小さい頃に数回、そしてつい最近起こったあの頭痛がリズを襲った。

「ぐあああっ!!・・・くっぁッ・・うぅっ」

「リズ!?大丈夫かい!?」


頭を抱えて苦しむリズにハンジはどうにか落ち着かせようと試みる。


「また、これかっ・・・早く話せ!!早くしろっ!!」

ーーあの時何故助けたの!?

「リズ!?落ち着いてっ!!」

頭痛は続いているのにもかかわらず、あの幻聴は聞こえない。
リズはその痛みに耐えられず、気を失った。
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