小さな勇気(進撃)
□7話
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「もうすぐ、つくな・・・」
大通りを歩き続けて家の近くの建物が見え始めたところまで歩いて来たリズは疲れ果てていた。
ーー買い物、全部あるよね?
と、ふと思い手元の紙袋の中身をメモの紙と一緒に見直す。
「・・・あ」
メモと何度比べてもない。
「りんご・・・」
一通りの買い物を終えた時に調査兵団が通りかかったため、そちらに夢中で果物屋に行くのを忘れていたのだ。
「買いにいかなきゃっ」
リズは大通りをまた走っていった。
「いつもありがとう、またきて頂戴ね、リズちゃん。」
果物屋で買い物を終えるとおばさんがいつもの優しい笑顔で送り出してくれる。リズはそれにお礼を言い、ぺこりと頭を下げて店を出た。
時だった。
ードオオォオォオォォッッンッッ!!!!!
「ーーーっ!??」
ものすごい音と共に地面が揺れた。リズはそれに耐えきれずその場に崩れ落ちた。
「見ろっ!!!あ、あそこ!!!」
一人の青年が声をあげ、指を指した先には、ここにいるはずがない、しかし、紛れもない、“巨人”だった。しかも、かなり大きいものだ。
「・・・・っ」
リズはその恐ろしさに腰を抜かし立てなくなってしまった。
「・・に、にげ・・ないと・・・」
そう自分に言い聞かせるが手と足が震えていて力が入らなかった。
周りの人たちは悲鳴をあげながら壁から遠い場所へと急いで走って行く。
先程大きい巨人が顔を出していた壁からは大量の巨人が街へと侵入していた。
「リズっ!!!何してるの!!!早く逃げないと!!!」
震えてうずくまっていたリズに声をかけてくれた少年、それは先程助けてくれたアルミンだった。
「・・あ、る・・みん・・」
「早く立って!!逃げよう!!」
アルミンはリズの手を取り走り出した。