小さな勇気(進撃)
□6話
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「あれ・・・?」
迷ってしまった。
もと来た道に進んだハズなのに、迷ってしまった。
リズはその場に立ちすくむ。
「あぁ・・・どうしよ・・」
「どうかしたの・・?」
オロオロとしていたリズに誰かが声をかけてくれた。
振り返るとそこには女の子のように可愛い顔をした少年がいた。
「あ、えっ・・」
人と関わることを避けていたリズがおどおどしていると、
「僕はアルミン、君はー?」
少年はアルミンと名乗った。
「わ、私はリズ・・・」
リズが名乗るとアルミンは少し微笑んで「よろしく、リズ」と言った。
優しくて、ふんわりとした笑顔だったため、少し見とれてしまう。
じーっと見つめているとアルミンは少し顔を赤くし、
「え、えっと・・・リズ、ど、どうしたんだい?」
「あ、そうだった・・私、道に迷って・・・」
アルミンの問いには答えず自分の事情を話した。無視したわけではない。タイミングを逃しただけだ。
「どこに行きたいの?」
アルミンは優しく問いかけてくれる。
「家に、帰りたいの・・あ、え
大通りに出れれば、あとはわかるんだけど・・・」
リズが言うと、アルミンは、にっこり笑って
「じゃあ、大通りまで送っていくね。」
と優しく言ってくれた。