黒子のバスケ*恋に落ちる夢

□取説ください
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「てめー、何でここにいんだ?」



「いーじゃん。
大輝の部屋涼しんだもん。
大輝のママもいいって言ったし」




「あのくそババアが」




「大輝のマクラのにおい好き。
落ちつくー」





穂乃莉はそう言って
オレのマクラに顔を埋めた。




「んならこっち来いよ」




オレが両手を広げると穂乃莉は
チラッとだけオレを見て
さもいやそうな顔して
「冗談」と言って
またマクラへ顔をすりつけた。




「なめてんのか?てめーは」

(オレのマクラ=オレのにおいだろ?
ならチョクオレでいいんじゃね?)  





「今日ね、知らない女の子と
ケンカした」




「ハァ?」




「大輝のコト好きだって。
メアド知りたいって言うから
ケータイとって窓の外に
投げちゃった」




「お前、すげぇな」




「そしたら叩かれて……
痛かっ…た…うっ…ぅぐす…っ」




「叩かれたのかっ。ちょ、おい。
泣いてんのかよ」




肩にふれようと手を伸ばしたが
穂乃莉の肩がかすかに
震えていたから
オレは手をひっこめた。

正直泣いてる女なんて
どーしたらいいのかわかんねーし。





「叩き返したらあのコ鼻血出して
あたし先生にスゴい怒られた……」




「鼻血?そりゃそーだろ。
お前は悪役レスラーか。
何で人のケータイ投げんだよ。
まさか、なに?
お前オレが好きなの?」




「ハァ?うぬぼれんな」




「うぬぼれてねぇよ。
フツーそう思うだろ。
オレのコト好きだっつー女に
鼻血噴かせて
オレのマクラのにおいを
スンスン嗅いで、
毎度オレにすりよる女が
『好き』以外の何があんだよ」




「別に好きじゃない…」




「じゃ何でオレの制服
にぎりしめてんだ」




「制服もマクラも
いいにおいするんだもん。
それにあのコムカつく。
大輝はあたし以外の女の子と
メールしたらダメなんだから」





「それを好きって
ゆーんじゃねぇの?」




「違うし」



「なあ、穂乃莉……
オレが慰めてやろっか?」



穂乃莉はマクラに
顔をつけたままうなずいた。




「何してほしい?言ってみろ」



「抱っこ……」



オレは穂乃莉の腕を
ひっぱりあげて立たせ
オレがベットに腰かけた。


「おら」


腰を引き寄せひざにまたがせた。
穂乃莉はオレの首筋に
腕をまわし、クタッと力を抜いた。




背中をさすってやると
ブラの線があたる。

服の上からホックを外してみっか。
んで、ベットになだれこんで……


しかしオレは何百回何千回と
こうして穂乃莉と
セックスにもちこむ想像したと
思ってる?

キスさえさせねぇ。
何様だ、コノヤロ。
くそ、勃つ。
クソあまめ、ムリヤリ犯すぞ。





「大輝……なんか当たってる」




「そゆんじゃねぇし。
オレのはモトモトでけぇんだよ!」




「えっちぃコトしないでね」




「ハッ、するかっ」




「したら殺す」




「自意識過剰なんだよっ、ブス!」




「……大輝」




「うっせ」




「大輝」




「なんだよっ」




「大輝」




「てめーはなんなんだよ。
うざっ、マジうざっ。
何も言う気ねぇだろ」




「カノジョ作ったらやだよ?」




「なら、お前がカノジョになれよ」




「何で、絶対やだ」




「おめぇ、それがオレに
抱きついて離れねぇヤツの
言うセリフか?」




「ソレはソレ。コレはコレ。
もういいから黙ってよ。大輝……」



穂乃莉はオレの首筋に
顔をうずめてから
耳の後ろらへんに鼻をこすりつけて
さっきマクラにしてたように
スンスンとにおいを嗅ぎはじめる。



「ちょっとだけ噛まして?耳」




「セックスすっか?」




「えっ!やだよ、なんで?
キモチ悪い」




「キモチ悪くはねーだろ。
みんなヤってんだし」




「スゴいよね?
あんなぐっちょぐちょで
ねちょねちょで
すんごいアクロバチックなカッコで
結合すんだよ?結合だよ?結合。
ありえなくない?
なのに平気でおすましして
みんなそこら歩いてるんだよ?
怖いよねーっ」




(アクロバってお前。
どんなセックス繰りひろげる気だよ)




「そんなコト言ったら
お前が(オレと)ヤったら
どーすんだよ。
真顔で歩かねーんだな?
つーかどんな顔して出歩く気だよ」




「あたしはやだね!
一生ヤらない。絶対」




お前なに?一体なんなの?
コイツはナゾだ。ナゾすぎる。
ガキなのか何なのか

オレに甘えてすりよるクセに
カノジョにもなんねぇ、ヤらせねぇ。
オレのキモチもカラダも
ひっかきまわして
結局オレは毎日穂乃莉のコトしか
考えらんねくなってっし。




誰がコイツの取説くれっ!
金ならいくらでも用意すっから!!






………必死すぎるか?オレ。



END 

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