黒子のバスケ*恋に落ちる夢

□sweet
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赤司の部活が終わるのを
いつものように一人
図書室で待ってる。




ガラガラと扉が
開く音がしたから
あたしは読んでた本を
閉じてソッコー
寝たフリをした。




(赤司だ!)




心臓はドキドキして
もうクスクスと
笑いだしそうなのを
あたしは
必死でガマンする。





その足音はスグそばまで来たのに
なんの声もしない。




しばらくしてから
大好きなその声は
あたしの名前を呼んだ。






「穂乃莉…」



肩を少しだけ揺すられた。




「穂乃莉起きろ」



赤司があたしを呼ぶ。
赤司があたしにふれる。



ニヤける。ガマンだけど。




「起きてるんだろ?」




「………………」




「よし。
寝てるなら置いて帰ろう」




「ダメ!赤司っ」



「穂乃莉」




赤司はハァっと
ため息をついて
たしなめるように
あたしをにらむ。




「くだらない事はするな」



「えへ…/////」



「わからないとでも
思ったのか?」



「うん…/////」



「そんな真っ赤な顔を
してたら本気で具合が悪いか
寝たフリかのどちからしか
考えられないだろ」



「そんなに真っ赤だった?」



「ああ。
真っ赤な上にニヤけてた。
凄く面白い顔だったぞ。
危うく爆笑するところだった」




「赤司が爆笑とかありえない」




「そのくらい穂乃莉の
顔が……いや。やめておこう」




「な、なに?」




「何でもない」




「やだ!気になるじゃん」




「本当に聞きたいか?」




「聞きたい聞きたい」




「本当にいいんだな?」




「えっと……うん」




「いいんだな?
後悔しても知らないぞ」




赤司は目を細めてイジワルそうに
あたしを覗きこんだ。




何を言う気?赤司。




「も、いい。聞かない」




イジワル
イジワル




「あ、ひとつ言っておく。
寝たフリはともかく
こんな所では本気で
寝たりするな」




赤司はいつも上にいて
なのにあたしばっかり
いつもドキドキして恥ずかしくて
真っ赤になって
下を向いてしまう。





「穂乃莉があまり
無防備だと心配でしかたない」
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