黒子のバスケ*恋に落ちる夢

□僕はそこまでじゃない
1ページ/1ページ




「そのケース見て
足りないものとか
減ってるのリストにあげてね」


レオに言われて
あたしは急いでケースを覗く。


とにかくあたしは
赤司が来ないうち一刻も早く
この作業を終わらせたかった。




「えと、これでいい?見て?」



「あ、そうね。
買ってきてもらえるなんて
助かったわ」



「あははは」




あたしはアイマイに笑う。
だって買ってくるなんて
一言も言ってない。
マネージャーでもないのに。
なんでこんなコトになった?
赤司。赤司のせいだ。


赤司があたしがバスケ部の為に
金曜は買い出しの協力を
申し出てるとレオに言ったから。





なんであたしが?
……逆らえないけど。
威圧感ハンパない赤司。
年下のクセに怖すぎる。



扉がイキオキよく開くと
赤司が無言で入ってきて
まるで背中であたしを
守るかのように
あたしとレオの間に割り込んだ。




そして沈黙。
…な、なにこの構図。




「あ、わかったわ♪そゆコト?」



どゆコト?テレパシー?
レオは
「じゃ穂乃莉
後はヨロシクね〜」
と手をヒラヒラとさせて
部室を出て行った。




やめて、レオ
おいてかないでっ!
心の叫びはレオに
届くはずもなかった。


くそ、二人っきりになった。
早く出なければ!



「じゃ…あの…
赤司着替えるでしょ?
あたしも行くね?」



「待て」


ヒジのあたりをつかまれ
引かれたあたしは
その強引な痛みに顔をしかめた。


振り返ると
緋色の瞳と
オレンジとも黄色ともつかないが
燃えるようにあたしをとらえた。



何かやめて、赤司。
フンイキ出すの。



「は、離して」



「聞け」



「や、いや。いいよ。
痛い…赤司っ」



「穂乃莉  お前が好きだ」



「え?ちょっ
やだいいよ。そんな冗談やめて。
そんなのいらない。
急にどーしたの?」



何で今?
いや、いつならいいとかも
ないけど。


「冗談に聞こえたか?」



「じょ、冗談以外の
何があるのっ。
赤司びっくりする。
あた、あたし行かなきゃ。
もうイマスグ。
ごめ、赤司。手離して?
早く行かないとお店が
大変なコトになるから」




何言ってんの?あたし。
大変なのはお店じゃなくて
あたしだけど。





「そんなに僕に
好かれるのはいやか」




いや……じゃない。多分。
むしろ見てるだけなら
きゅんとする。
でも正直怖い。
だって親コロで
タイテイハサミ振り回して
どこのサイトでも
ヤンデレ大炸裂させてる
赤司だよ?
ここの赤司はどうなの?
まともなの?




求められたい
拒否したい
……わからないのに。




「穂乃莉に拒絶されるのは怖いな」



ウソ。
怖いものなんてなにひとつない
目をしてるクセに



あたしを抱きよせ左の首筋に
顔をうずめた。


怖いのに逃げたいのに
ムシできない。
あたしの心臓は
ドキドキと跳ねあがる。


逃げ出そうと思えば出来るのに
あたしのカラダはきっと赤司が行ってよしと許可を出すまでは
動けない。
もう言うなりだ。



赤司はかすれた声で
耳元で囁いた。


「穂乃莉の考えてる事は
わかってる。
それでも穂乃莉は僕を
受け入れるって事も」



赤司があたしの頬にふれる。
怖い、怖すぎる赤司。
赤司の唇がゆっくりと
柔らかく重なる。
びっくりする程腰くだけの
ソフトで甘い甘いキス。



あーもうどうしろってゆーの。



「ん…っ…あ、あかっ…////」



「心配ない。
僕はそこまでじゃない。

お前がその笑顔を向けた男は
翌日にはカラダの一部が
欠損するくらいし
そして穂乃莉?
お前には次の日は確実に
起きあがれない程度に
躾をする…どうだ?
可愛いものだろう?」




そー来るよね?赤司だもん。
全然可愛いコトないけどっ。
でも赤司にあんなキスされて
誰が拒否できる?


赤司………



あたしがここで赤司に
落ちるしかないなら



赤司?せめて前髪伸ばしてーっ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ