ハイキュー!! *純愛

□悪魔なきみにはわかるまい
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ふと体育館の入口を見るとちょこんと
淡いピンクのタオルとスポドリが
入ってるであろうボトルが置いてあった
ボトルは僕のではないのに
マッキーで『さわるな!月島専用』と
でかでか書いてある

ホイッスルが鳴り
いったん休憩とコーチの声が体育館に響く

僕は自分のボトルを手に戸口に行って
すすっと足で押してタオルとボトルを
体育館の外へと落とした

「ぎゃ!なんて事すんのこの悪魔!」

戸の外にはアイがしゃがんだまま
耳まで紅潮させて涙目で僕を見上げてる

(変な顔)

「邪魔だった」

一瞬にやっとしてしまい慌てて真顔に戻す

「月島専用って書いてあるじゃん」

「へぇ、そうだった?でも僕のじゃないし」

「あんたのじゃないけどあんたのために
あたしが用意したんじゃんっ」

「頼んでない」

面倒くさいと思いながらも
戸を挟んで背中合わせで
アイと会話が始まる

「僕やなんだよね、他人が作ったもの
不衛生で気持ち悪い」

「酷い…あたし手だって
ちゃんと洗ってるし
変なもの入れたりしないし」

「それで僕が喜んで飲むと思ってるとしたら
大間違いだって思わないの?」

「…今日のはレモンが少し入ってるよ」

驚いて振り返りアイを見る
スポドリにレモンをたらしとけば
よかったななんてさっき思ったから

アイは三角座りをして
うつむいてるからつむじが見える
強めにそのつむじをぐりぐりと
つついてみたい衝動にかられる

「だから飲んでみて」

「やだって言ったよね
いい加減しつこい」

「月島の意地悪」

「これが意地悪とは思わない」

「もっと優しくすればいいじゃん」

「なんで僕がアイに優しくするの?
他人に無意味に気を使うとか
そうゆうのめんどくさいんだよね」

それに僕はアイは苦手だ
僕が落ちこめば態度に出さないのに
驚異の察知力で必ず
あたしがいるから大丈夫と言う
何がわかるのか、何も知らないくせに
頼みもしないのに僕のそばにいる
シャー芯ないと思っただけで
いるでしょと言って渡してきたり
聞きたいなと思ってた曲を
落としてくれたり
誰がの声が聞きたいと思う日は
『今電話してもいい?』と
メールが来たりする

思えばいつもアイは
僕の一歩先を行き至れり尽くせりだ

「ねえなにその僕に対する行動
ストーカー?エスパー?」

「大好き
だからなんでもわかっちゃうんだよ」

照れたようにアイが笑うと
無意識に胸の奥が小さく跳ねた

好き───だからわかる……?




いや
なんだそれ、気持ち悪…

          END_

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