黒子のバスケ*恋に落ちる夢

□シアワセの予感
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穂乃莉はクツシタのまま
廊下を歩いてる。


穂乃莉はいつもこんなだ。


制服が汚れてたり
ひとり体操着のままだったり
髪が濡れてたり。



ボロボロでグチャグャの穂乃莉。




なのに見ろ。



穂乃莉はいつも高い場所にいて
オレらをバカにしたように
見下ろしてる。




穂乃莉のさめた視線と
一瞬ぶつかる。



いつものようにムシしてすれ違う。



気になって仕方ねぇのに。




教室に入るとゴミ箱に
校内履きが捨ててあった。
落書きされて切られて
履くに履けねぇ穂乃莉のもの。





クソッ…情ねぇ。小学生か、オレは。




オレはゴミ箱から校内履きを
拾い上げ穂乃莉を追った。





「ねぇ…………
ねぇ、神緒さん」




「なんですか」




「なにって。ほら校内履き…
捨ててあったっス」



「でも……もうこれじゃ履けないから」



「どこ行くんスか?授業始まるけど」



「黄瀬くん」



「なんスか」



「ほっといてほしいんだけど」



「え」



「いつもみたいにムシしててよ」



イラッとしたオレは
穂乃莉の手をムリヤリひっぱり
教室に入った。



ざわついた教室がしんとなり
みんなの視線がオレらふたりに
向けられてる。



穂乃莉を席に座らせオレは
穂乃莉の前にひざまずく。



「や、やめて。黄瀬くん」



「ちっと黙っててくんねスか」




オレは自分の履いてる校内履きを
穂乃莉の小せぇ足に
ムリヤリ履かせた。



そして顔をふせたまま名前を呼んだ。


「神緒さん……」



「な、なに」



「オレが……マジメに……って……たら」



「な?聞こえな……」



「神緒さん……」



「ちょっとなんのつもり?」



「神緒さん
オレとマジメに
つき合ってほしーっス」



「冗談…「冗談じゃねぇから。
女遊びも神緒さんが
気に入らないモノいっさいがっさい
やめるっス……だから頼む!」



「やっ……やめて、黄瀬くん
土下座なんてしないでっ」



口に出しゃあこんなに簡単で
穂乃莉が手に入るなら
土下座なんてやっすいもんで…。




ずっと気になって気になって
気になって。
だけどプライドがジャマして
話しかけらんなくて
いつもオレに冷たい視線を向けて
なびかない穂乃莉を
ムシして
なんてことないフリしてきた。





「神緒さんがOK出すまで
やめる気ねぇっスから。
オレとつき合ってください!」



「い、いやです」



「ちょ…即答っスか。
んなら、こっちにも
考えがあんだよね」




穂乃莉の腕を掴み
ムリヤリ唇を奪った。




教室中ざわめき
色んな声がとびかうが
そんなんこの際知ったこっちゃねぇ!





「んっ………ぷは…っ…き、せく」



「周りは気にしねぇで
オレのコト見て………………」



埋めた首筋から顔をあげて
穂乃莉の顔を見ると
見たコトもねぇくらい真っ赤な
穂乃莉の顔。




やべ。ガマンできねぇ。
ニヤける♪ちょー可愛い。



「穂乃莉!ちょー大好きっス♪」





オレは穂乃莉を抱きしめた。
バカだな、オレ。
最初っからこーすりゃ良かったんだ。






クソ!どーすんだよっ!
シアワセの予感しかしねぇ!!






END 
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