短編
□彼は隠れ狂愛者
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「…ぬこ」
お前は俺のことを何もわかっちゃいない。
いつもそうだ。
俺はミカサの幼なじみだ、格闘技が得意だ、努力家だ、とか。
得意気に俺に話し掛けてくる。
そんな事どうだっていいんだ。
俺は欲深い。
そこんとこ、もっとよく知っておけよ。
「ぬこ」
眠っているぬこの顔を覗けば、ベッドがギシッと鳴った。
「よく眠ってるなあ…そんなに楽しかったのかよ?」
「zz」
「アニに格闘術を教わったんだって?なんで俺のところに来なかったんだよ?」
ぬこの上に跨がって声を張り上げる。
「食事中はライナーとべちゃくちゃ喋りやがって、お前は俺よりアイツ等といた方が楽しくて仕方ないんだろなあ!?」
「ん…zzz」
「言うことを聞かない奴は、こうしてやる」
顎を掴み、ぷっくりとした淡い桃色に色づいた唇に噛みついた。
「ん、ふ…っは、そのまま大人しくしてろ」
キスを繰り返しながらぬこの身体をまさぐる。
舌を突っ込んでクチュクチュとぬこを味わうと、微かに喘ぎ声が漏れた。
「あぁ、興奮してきた」
ぬこを犯したくて堪らなくなったが、犯すならぬこが俺に怯えている時がイイ。
「口、開けろよ…」
俺の唾液でべっとりと濡れている口に、さらに大量の唾液を送り込んだ。
「んっ…う…zzz」
「全部飲めよ」
「(こくん)…zz」
唾液を飲み尽くしたことを確認すると、なんだか物凄く欲が満たされた。
「ははっ!ぬこ、俺の唾液全部飲んだんだ」
「んぅ…zz」
「ん、そっか…良いコだな」
頭を優しく撫で、髪や頬にキスを落とした。
「あぁ良い匂い…愛してるよぬこ、アイシテル…」
しばらくして乱れた服や布団を直しているとぬこが起きた。
「エレン君…おはよ…?」
「ああ、起きたのか」
「あれ…なんでここにいるの?」
「ぬこが中々起きないからさ」
「そうなんだ、ありがと」
「ああ」
「む、涎いっぱい…」
「はは、爆睡だったもんな」
「エレン君ってば、もう」
「朝飯先に行ってるからなー」
「あ!待ってよー!」
こうした日々が毎日繰り返されていることは俺だけが知っている。
俺は、隠れ狂愛者。
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