短編

□男
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いつもフワフワしている隣の席のキミは、今日もフワフワ気持ち良さそうに寝ていた。
当然、今は授業中だけど…気持ちよく眠るぬこを見ていたら僕も眠たくなってしまった。

「zzz」
「(…我慢…)」

授業と言ってもこの時間は自習だから、寝てても先生は居ないし評価は下がらない。
でも、やっぱりぬこの寝顔見ていたいから寝るのは我慢しよう。

「zzz」
「…ふふっ」
「なんだ、ぬこのヤツまた寝てんのか」
「zzz」
「コニー、静かにしてて…」
「…あーお前もまたぬこの観察かよ…毎日飽きねーよな」

僕はぬこの寝顔を見るのが好きなだけ。
だって最近は僕の方を向いて寝てくれるからこんなにラッキーなことは無いんだよ。

「(頬っぺ…ぷにぷにしてそう)…ゴクッ」
「zzz」
「…ごめん、ぬこ…!」

ぷに ぷに ぷに

「zzz…ん〜…」

スゴい、スゴい弾力だ…!
ああずっと触っていたい…。

「んー……ハッ!」ガバッ
「(ビクッ)」
「どうしよっ…ジャン君がとうとう馬に…!」

急に起き上がったと思ったら馬の話か…
また夢に出てきたのかな。

「あっベルトルト君!ジャン君どこっ!?」
「ぬこ…きっと夢を見たんだよ」
「……あ!そっか〜!ジャン君が馬になるわけないもんね!えへへ…またベルトルト君に見られちゃった」
「面白くて好きだよ」
「…えっ?」
「…あ」

しまったああ!!
僕はなんて大胆なことを…!!
あわわわ…ライナーは僕よりもっと前の席なのにニヤニヤしてこっち見てるよおお!!
ちょっ…アニまでそんな、じと目で見ないでーー!!

「あ、あのね、さっきね、ジャン君がヒヒーン!って言ってたのっ」
「え…あ…それは面白いね」
「エレン君すごく笑ってたよっ」
「あはは、エレンらしい」

…なんとか誤魔化せたようだけど、不自然じゃなかったかな…ああまだ見てる…。

「…あ!ぬこ、」
「え?」

窓の外から落ちて来たのだろうか、可愛らしいピンクの花びらがぬこの頭にちょこんと乗っていた。

「クスッ…ほら、」
「わあ!いつの間に!」
「風に乗って来たみたいだね」
「えへへ」

次いでにぴょこんとはねている寝癖も直してあげた。
髪もフワフワでさらさらしてた。

「あ、ありがとっ」
「可愛いね」
「…!」
「可愛い」
「っ…///」

あれ、黙っちゃった…変なこと言ったかな…?

「この花びら、校庭に咲いてるお花かな?」
「!あ、そっち……びっくりしたっ…////」
「ん?」
「なんでもないよ!」
「…今度、一緒に校庭でお昼寝しようか」
「っえ!」
「…嫌だった?」
「ううん!一緒に行こっ!」
「良かった」

断られたらショックで立ち直れなかったよ。

「ベルトルト君っ楽しみだねっ」
「!そうだね」



僕、君のこと好きかもしれない




(おい、見ろよアニ…ベルトルトの奴また
ぬこを口説いてるぞ)
(……ホントだ、よっぽど好きなんだね)
(あ、俺達が見てるから慌てはじめたぞ)
(ジャンが馬…)
((ブフッ…!))
(…てめえら…!!)

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