土方STORY

□今が最悪の状態と言える間はまだ最悪の状態ではない
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俺たちは付き合う事になり
あれからすっかりあいつは
元気になったらしいが年越しは
実家に帰っていたらしく俺も屯所で
年越しをしていた。


ミウと付き合った事は
いつからか少しずつ隊員達に話は
回っていたみてェだ…
俺の口から1人必ず伝えておきてェ奴がいた。




土 「おい…総悟、お前に話しておきたい事がある。」


沖「なんですかィ?話って…副長降りるとか、真選組辞めるとか、土方死ぬとか土方自殺するとかですかィ??」


土「テメェー、どんだけ殺してェんだよォ!?」


呆れた顔で俺が部屋に入る
だが、今回は真面目な話だ。
あいつも俺が部屋に入った瞬間
少し顔つきが変わりジッと見つめた。



土「付き合う事になった…あいつと。」


沖「へ〜、それだけですかィ?…副長が隊士にいちいち報告する義務なんて無かったはずですぜィ。俺にそんな事言ってどうしろって言うつもりでさァー…」



だいたいどんな返答が
返ってくるかなんて予想できてたが
明らかに興味がなさそうに総悟は
テレビに目を向けた。

俺は総悟の部屋の写真たてに
チラリと目を向けていた。
そう、総悟の実の姉ミツバの写真だ…



沖「いい加減にしてくだせェー…うちの姉上がそんな未練たらしぃ姉上とでも言いたいんですかィ?あの時、姉上は俺に言った…後ろを振り向くな、自分が信じた道を前見て進め。って、こうゆう方なんでさァ…」


総悟も写真たての方に
目を向け俺には顔を合わそうとは
しなかった。




土「あー…そうだな、邪魔してすまなかったな。」


そう言うと俺は総悟の
部屋を出てそっと障子を閉めた。


沖「あっ、土方さぁん。うっかりしてると俺がさらいに行きやすぜィ…ミウのこと。」


俺はその言葉を無視し
そのまま渡り廊下を歩き出した。

言葉を詰まらせていた俺への
あいつの精一杯の気遣いだろう。
すまねェー…総悟。


護れる自信が今ならある。
自分の道を貫くために
歩いたが今はあいつのために
歩く道を作ってやりてェんだ。



前を向く決心をつけよう、
そう強く思った。
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