ショート(リアル)
□食欲の秋
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いくら食欲の秋とはいっても食べ過ぎだ。
録画しておいた自分達の出演番組を見ると。
あれ、俺の輪郭…どこいった?
髪型のせいなのか?
衣装のせいなのか?
しかし、それより何より、
「……何かお前、キレキレだな、」
「はっ?」
隣で一緒に見ていた恋人に言う。
「さすが食事制限までしてるお前は違うな、」
「なにそれ。誉めてんの?バカにしてんの?」
「もちろん誉めてますよ〜。俺にはできないし、」
「ホント〜?めっちゃ怪しい。きっとバカにしてんでしょ?ここまでするなんてって、」
「そんなことないよ。そこまでストイックにできるなんて世の中自分に甘い人ばっかだかんな、
そうそうできることじゃない、」
本当にそう思っているんだけどな。
ま、ちょっとやり過ぎじゃない?て思うときもあるけど。
偉いとは思うけど、もっと自分に甘くてもいいんじゃない?
美味しいもの食べるのお前も大好きじゃん。
美味しいものを美味しく戴くのが幸せってものじゃない?なんて思ったり。
ほら、朝だって二人別々のものを食べてる訳だし?
せっかくなら、二人同じ空間で、二人同じものを食べたい。
できればもちろん、潤の手料理をね?
「翔くんだって、ドラマの時やってたじゃん、具合悪くなる程に…」
あれはね、内容も内容だったから、ちょっと自分を追いつめてみたかったのもあって。
でも具合悪くしたら本末転倒だって身に染みてわかった。
迷惑も心配もかける。自己管理できない奴がやることじゃないんだって。
お前だって元は体強くないだろ?
ムリして壊れて欲しくないんだよ…
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