ショート(リアル)
□隣 2
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「…少し離れたい」
そういって距離をとった俺。
「…どうして、」
理由を聞く翔くんは、それでも頑固な俺のことをわかっているから、
「………」
何も答えない俺に小さくため息をつきながらも受け入れてくれた。
「これは前向きなことだよな?
なら鍵は返さなくていいし、
俺はいつでも戻ってくるのを待ってるから」
そう真っ直ぐ俺の目を見て言う翔くんに、
「ごめん」
それしか言えず、このままその目に見つめられていたら決心が鈍りそうだったので、
その目から逃れるように足早に部屋から出ていった。
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