ショート(リアル)

□隣 2
1ページ/8ページ



「…少し離れたい」


そういって距離をとった俺。



「…どうして、」


理由を聞く翔くんは、それでも頑固な俺のことをわかっているから、



「………」


何も答えない俺に小さくため息をつきながらも受け入れてくれた。




「これは前向きなことだよな?
なら鍵は返さなくていいし、
俺はいつでも戻ってくるのを待ってるから」



そう真っ直ぐ俺の目を見て言う翔くんに、



「ごめん」



それしか言えず、このままその目に見つめられていたら決心が鈍りそうだったので、
その目から逃れるように足早に部屋から出ていった。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ