ショート(リアル)
□隣
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ふと、夜中に目が覚める。
疲れているはずなのに。
睡眠時間だって短いのに。
短い移動時間中だって、
楽屋での待機時間などにも仮眠を取るくらいなのに。
決まってこの時間に目が覚める。
「…はぁ」
横を見てため息をつく。
そんな気持ちを頭から消すように
また目を閉じてみるが。
エアコンの止まった部屋の暑さに気づいてしまい、
そのまま目を閉じても眠りにつけそうにないので
何か飲み物…とキッチンに向かうためベッドから降りた。
冷蔵庫を開けるとひんやりとした空気が心地よい。
暗闇に光る白い灯りが少し頭を覚醒させる。
冷たいミネラルウォーターを手にしてまたベッドに戻り、
ベッドに腰掛け、一口、口に含む。
「…ふぅ」
結露した水滴のついたボトルを首筋にあてる。
冷たい滴が肌に吸収されずに落ちていく。
その滴が伝う感触を追いながら再び目を閉じる。
君のいない夜を感じながら。
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