ショート(リアル)

□理由
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潤の上半身が日に日に厚くなっている。


これから先ずっと動ける、踊れる身体をつくるためだという。



それは、アイドルをずっと背負っていく覚悟のようなものまで感じて。



ずっとそういうところを見てきたつもりだったけど、
その、まっすぐで、目標、目的のためには努力を惜しまない姿に、
改めて感心してしまう。




俺もドラマのために鍛えたけど、
ずっと続けていこうかな、と考えはじめていた。




そんなある日、
マネージャーが持ってきてくれた
自分の載っている雑誌をパラパラ見てると。




彼の友達も載っていて。

ちょっと気になって読んでみると、





「…ん?」


何か同じこと言ってるけど…





あれ?どういうこと?




まるで申し合わせたように、そんな発言するなんて…




も、もしかして一緒のとこ行ったりしてる?


仲いいアピール?!



なに?なに?





気になって仕方なくて、

仕事で会ったとき、



「…なあ、」


「ジム通ってるじゃん?
あれっていつも決まった日にいくよな?」



「うん?まあそうだね」




「それって、あの、その、…あ、そこで誰かに会ったりすることある?」





「あーたまにね」




「誰とかいんの?」




「旬とかにはよく会うかな」




「……あ、そうなんだ。」


ほら、やっぱり。


どんだけ仲いいんだよ。





「じゃ俺もそこ行こうかな〜」



「なんで?今のとこ何か問題あんの?」



「ほら、いろんな人が行くってことは
それだけいいとこってことだろ?」






俺は心が狭い。

それくらいいいじゃないか。

ただ純粋に身体を鍛えてるだけなのに。


頭ではわかっていても、心がついていかないようだ。



二人きりになんてさせてやるか





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