ショート(リアル)
□イライラ
1ﾍﾟｰｼﾞ/5ﾍﾟｰｼﾞ
イライラ。
この前もあの二人がこれやったじゃん。
ようやくその時のチューを消化したばっかりなのに。
てかさ、何で翔くんは相葉くんにあんなにグイグイいくの！？
ずっと覗きこんでるし、ベイベッとか言っちゃってさ。
新しい世界でも何でも勝手に作ってやがれ！
………あ、ヤバイ。テレビなの忘れてた。
俺、抜かれてないかな…
嫉妬丸出しだったかな…
これは番組を面白くしようとやってることだって頭ではわかってるのに、
でも、心がわかってくれないんだよな…
だってさ、何かというとあの二人一緒じゃない？！
なんなの？スタッフの俺への嫌がらせ？
………あ、またテレビなの忘れてた。
ヤバイ、顔に出てなかったかな。
ふう、気をつけなきゃ。
ただでさえ顔に出やすいんだから。
平気、平気…
「大丈夫見てる方はそこまで高ぶってなかった」
あはははは！
あ、よかった、笑えた。
このままの気持ちで仕事するなんて、公私混同もいいとこだよな。
こんなことでイライラするなんて心が狭い証拠かな…
でも、何かムカつくから、今日は何も話さないで帰ろ。
「ありがとうございました〜」
「お疲れ様でした〜」
「潤、今日のキッキング、うまかったな」
「……」
「苦手とかいっててもできちゃうのが潤だよな」
「……」
「小杉さんいじりもよかったな〜あのロボットダンス！めっちゃうけた！」
「……」
「そうだ、今井さんに上目遣いやめろよ。惚れられたらどうすんだ」
「……」
「潤？」
「どした？」
「じゅ〜ん？」
もう！頑張って無視してたのに！
そんなに話しかけないでよ！
「…なに？」
「いや、たまにはバンク一緒にやりたいよなって。ぜってー赤倒してくれるだろ？
スタッフに直談判するかな。
あ、でも俺が意識しすぎて、足引っ張っちゃいそうかも」
やっぱり無理。
結局許しちゃうんだ。
こうやって話しかけてきてくれるのも、きっと俺が気にしいなのわかってるからだもんね。
わかってる。仕事だもん。
こうやってイライラしている方が間違いなんだって。
でも、ちょっと悔しかったことは伝えよう。悲しかったことも、伝えよう。
やっぱり言葉にしないと伝わらないもん。
伝えたら何て言ってくれるかな。
めんどくせえ？笑いながらごめんな？
きっとどんな言葉でも、あなたからもらう言葉なら、かんたんに俺の心は軽くなる。