ジョーカーの微笑

□4.ガマンの限界
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ヒソカはそもそも他人を尊重するということに慣れていない上に向いていないのだろう。



既に簡単に限界を超えたらしいヒソカは、私の体をベッドに押し倒して自分は横たわる私の体に馬乗りになっている。



メイクした顔は漫画の色んなシーンが思い起こされて、奇術師ヒソカを意識させるからあまり好きじゃない。



逆に素顔のヒソカは何だか向こうの世界の知人にも少し似ている気がして、邪険に出来ない魅力がある。



「やめろよ…降りろ」



「ダメだよ…キミが悪いんだから…◆」



ヒソカの顔が近づき、唇が首筋に触れる。



私の体が不安と刺激にビクリと跳ねた。




「ククッ…可愛い◆」




可愛いと思われるような行動はとりたくなくて、思わず顔を逸らすけれど、朱に染まった頬と嬉しげにヒソカが指先でなぞる。



「ヒソカなんて嫌いだ…」


「ボクは大好きだよ…今夜はもう止めない…これ以上我慢はしてあげられないよ◆」



「じゃあもっと嫌いになる」



「好きになるまでキミを抱く◆」




そう告げたヒソカの目は、いつもより幾分冷たく、言葉の通じぬ人形のようだった。



口元だけが僅かに持ち上げられ笑みというカテゴリに位置する表情を模ってはいるものの、何か歪なものにしか見えなかった。



「……嫌だ…」



そもそもヒソカのことは嫌いじゃない。



実は好みかどうかで言えば好みの顔だった。



でも、危険人物だから関わりたくないし、付き合いたくないし、寝たいとも思ってない。



そうは言ってもゴン達と出会えば必然的に出会ってしまうのがこの奇術師。



だから敵に回すのは厄介だから嫌だし、でもヒソカ側に付いて彼と親密になるとゴンと友達になりにくいと思うから、距離が欲しい。


こんなに執着されるとは思わなかったし、こんな普通の男みたいなことを言いだすとも思わなかった。


昔から変わった男に好かれやすい…だから今まで素敵な彼氏が出来なかったのかと思うと超悲しいけど…。



そうこうしている間にも、ヒソカの手は私の体を弄り、殆ど下着以外は身に着けていない状態にされた。


ヒソカの手は体を這うだけのはずなのに、やたら私の何かを刺激して、体が小さく反応してしまう。


私はあまり色々刺激したくないのと、この状況をどうしようかとそればかり考えていて、大した抵抗も出来ずにいた。



ヒソカの指がとうとう私の秘所に触れようとした時、何か遠い記憶が頭を掠める。





「や…だ…やだっ!おにいやめてぇ!!」




誰にも触れられたことが無いと思っていた。



でも、私は元居た世界でセックスを経験していたことを、今思い出した。



そうだ



あの日、私は…。




「………マホ…」
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