鬼狩〜おにかり〜
□鬼狩・壱
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大抵この言い合いは長い時間続く。私は外へでて、気分転換でもしようと思った。
すると、目の前にここの村の人じゃない人たちが3,4人歩いている。
周りの人たちもびっくりしているようだ。
「雪ー、あんたそろそろ稽古戻りなさいよ……」
『……あ、いお……。ねぇ、なんか見たことない人が歩いてるよ……?』
「あれは、江戸の自警団よ」
『……?』
江戸の自警団?ってことは江戸を守ってる人のことだよね。なんで私たちの村に来たんだろう。
「この村に〈鬼〉が住んでるのかもしれないわね…」
………鬼?もしかしたらこの前の奴かもしれない。
『…なんで鬼?がいるって分かるの?』
「大方誰かみたんじゃない?それで村長に言って自警団に来てもらった。…まぁ、私は鬼とか信じてないけどね。見たことないし。」
やっぱりいおは信じてないみたいだ。いおは非現実的なものを嫌う。だから、小さいころも言わなかった。
「雪、あなたもしっかりしなさいよ。あなたまで鬼がいるなんて言ったらぶっ飛ばすからね」
『……え、……う、うん……。』
怖い、やっぱり言わなくて正解だった。
いおは、言いたいことだけ言ったのか、道場に戻ってしまった。
「…あ、あの〜。すみません……」
『……?』
話しかけてきたのはさっきの自警団の一人だった。
「村長のところに行きたいんですけど、何故か皆さん全然答えてくれなくて。」
『…あ、村長さんの家はあっち……です』
私は他の家に混じっている比較的小さな家を指差した。
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