鬼狩〜おにかり〜
□鬼狩・壱
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『……どうしたの…?』
「う、ううん。別に特に用があるわけじゃないんだけど……なんか、嫌な予感がするんだ……。僕、怖くて……。」
葵の顔を見てみると心なしかちょっと悪いようにもみえる。
『怖い夢でも見た?すごい顔色悪い………。今日は体調が悪いんじゃない…?』
「た、確かに怖い夢はみたんだけど…。ほ、本当に怖くて、お姉ちゃんやいおさんが死んじゃうんじゃないか、って」
『……………。』
葵の顔はすごい切羽詰ってて、本当にそんなことがおきてしまうんじゃないかと思うほどだった。
そういう風に信じるのにはわけがある。
葵は昔から危機感というか危機能力とかいうのに人一倍敏感だ。
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前は、森のなかに遊びに行ったときだった。いおのために花を採りにいこうと、いおに秘密でいった時。
葵が急に震えだしたんだ。そして、
「お、お姉ちゃん。そこから行っちゃダメだよ……!
こ、怖いのがいるんだ……!」
私は葵がそんなことをいうものだから私たちは走って帰った。途中後ろを振り返ってみると
ゾクッとした
角の生えた鬼のようなもの。いや、あれは鬼だったのかもしれない。そんなようなものがいたから。
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それ以来森には全然行ってない。いおにすごく怒られたけど。そういえば、いおにも話していない、あの鬼のようなものがいたこと。
「……お姉ちゃん……?」
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