白いお姫様と王子様
□第参章
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あの日から一ヶ月ほど経った。
葬式を終え、周防から正式に仲間……クランズマンにしてもらった雪。
印は、右の鎖骨の所にある。
吠舞羅のメンバーともすっかり仲良くなり、
十束や八田、鎌本、アンナへの敬語が消えた。
十束のことは、多々良。
八田のことは、八田ちゃん。
アンナのことは、"ちゃん"がなくなり、アンナ。
鎌本のことは、かまもっちゃん(←)と呼んでいる。
周防と草薙の呼び方も変わり、名字ではなく名前に"さん"がつくようになった。
雪が吠舞羅に馴れてきたのがわかるからか、彼らも嬉しそうだった。
『それじゃあ出雲さん、多々良、行って来まーす!!』
「いってらっしゃい」
「気いつけるんやで」
『わかってまーす!!』
雪は笑顔で返事を返し、バーを出た。
「雪、最近よく出かけるよねー」
「何や、寂しいんか?」
「うん」
「……素直やな」
「まあね〜」
「まあ、心配せんでも大丈夫やろ。その内帰ってくる」
「そうだね。あー暇ー」
「だったら手伝いでもせえ」