新ハヤテのごとくSS

□責任とってよ…グスッbyヒナギク
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時間は少しさかのぼる

ハヤテはこの日早く就寝した。正確には眠らされたというべきか。この日ハヤテは自分の主である三千院ナギの毒物
いや、料理を食べさせられ気絶してしまった
さすがのハヤテもパワーアップ(危険な意味で)したナギの料理による毒ダメージに耐えられなかった。受け身をとらずそのまま倒れた
白目むいて倒れたハヤテはマリアとヒナギクによって自室にベッドに運ばれたのだ
危うく永眠しかけたハヤテだが数時間後、夢を見ていた



「アーたん…」

「ハヤテ…」

二人はお互い相手の名前を呼びながら、走り寄った

「会いたかったわハヤテ」

「ぼくもだよアーたん」

夜の鈴蘭畑で抱き合う二人。相思相愛の二人が再会。お互いずっとこのままでいたいと願う
しかし時間は待ってはくれないのだ。やがてアテネがハヤテの体から手を離し、涙を落とす

「聞いて、ハヤテ。私あなたにお別れを言いにきたの」

「えっ!?どういうことなのアーたん!?」

「落ち着いて聞いてハヤテ、私今日死ぬの…」

「そ、そんな…ウソだよね……」

アテネから告げられた衝撃的な発言にハヤテは今までにないほどのショックを受け、目が虚ろになり、体が震えた


ごめんなさいハヤテ…残念だけど嘘ではありませんの」

「なんで…なんでアーたんが死ならければいけないの!もう英霊は消え去ったって伊澄さんがいっていたのに!」

「ええ、ハヤテたちによって私は英霊から解放され、英霊はハヤテの手によって消滅したわ…」

「だったら!」

「でもね、あのときは気づかなかったけど、私の魂は長い間英霊によって憑依された影響と、かなり深層まで魂の融合が進んだことで私の魂はもうボロボロなの…」

完全融合は免れたものもさすがのアテネも外に出したが魂の深層まで英霊に融合が進んだとき魂が蝕まれていたのだ
英霊の憑依が解け、消滅したことにより英霊の影響はなくなったが衰弱したアテネの魂は限界がおとずれていた

「そ、そんな…」

「今までなんとか魂を維持してきたけど、もうそれも今日で限界なの。もしこれ以上無理を続けると魂の構成が崩れ、転生することができなるの
つまり、生まれ変わる事ができなくなるのよ」

ハヤテは顔を青ざめた。それも無理はない
ハヤテにとって、かけがえのない大事な人がこの世からいなくなろうとしているのだ
ハヤテの心は悲しみと絶望でいっぱいだった

「……どうして」

「ハヤテ?」

「どうしてアーたんがそんな目に合わなければいけないんだ!城に閉じこめられたり、英霊に取り憑かれたり、それがようやく解放されたのに
どうしてアーたんみたいな優しい子がそんなつらい目ばかり合わなければならないだ!どうして!!」

「ハヤテ…」

ハヤテは悲しさのあまり涙をポロポロと流し初め、抑えきれなくなったのか泣き出してしまった
そんなハヤテをアテネはそっと抱きしめ慰める

「だめよハヤテ…もう私のために泣くのは最後って言ったじゃない…」

「で、でも…」

「ハヤテ、私の人生はつらいことばかりじゃなかったわ…だってあなたに出会うことができたんですもの
私の事をこんなに想ってくれる優しいあなたに…そして、そんな大事な人に最後見送られるですもの。悔いはないわ…」

「よくないよ!アーたんの人生はまだまだこれからじゃないか!何か方法があるはずだよ…そうだ!伊澄さんなら!」

「無理ですわ。古来、日本だけでなく多くの国が不死の挑戦や死者を蘇る術などやっていました
しかし、完全に成功した者は誰一人いません。なのでいくら鷺ノ宮でも…」

「そ、そんな…そんなのって…」

「ハヤテ、私の最後の願い聞いてくれる…」

「最
後って…」

アテネはドレスを脱ぎ、下着姿になってハヤテに寄りかかる

「ハヤテ私を抱いて…私に最後の思い出をください」

「アーたん…」

「この願いを叶えられるのはこの世でただ一人。私が心から愛し、一番信頼している
私の執事でもあったあなただけなのよハヤテ」

「アーたん!そんなこと言わないでよ!生きるんだ!これからもずっといっしょに!」

「…ありがとう」

ハヤテは両腕でアテネを抱きしめ、優しくキスした

「アーたん大好きだよ」

「私もよハヤテ」

やがて二人は身につけた物を全て脱ぎ捨て、そして二人は
十年という年月を経て、ついに二人は…

「やさしくするから…」

「ええ…」

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