ダンガンロンパss
□私を救ってくれた幸運
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夜時間、わたくしは殺人計画を実行するため、山田くんの部屋に向かう途中でした
その計画は山田くんをだまして石丸くんを殺させ、その後山田くんを殺すこと
その山田くんの部屋に着く前にわたくしに声をかける者がいました
「セレスさんこんな時間に何してるの?」
「苗木くん」
苗木誠。わたくしの数少ないランクCにランク付けした背の低い男性です
「そういう苗木くんこそ、こんな夜中にどこへ」ニッコリ
「実はちょっと…トイレに」
ニッコリと問いかけるわたくしに苗木くんは少し恥ずかしそうに答えました
それにしてもなんてタイミングで部屋から出てくるのですか
これでは山田くんの部屋にいけないじゃありませんか
「わたくしはちょっと倉庫の方に必要な物があるのでちょっと取りに」
いつもどおりわたくしはポーかフェイスで応える
しかし
「あれっ?たしかセレスさん不二崎くんが死んだ夜も倉庫に行っていたんだよね
それなのにまたこんな夜中に倉庫に行くの」
「………」
苗木くんはわたくしのついたウソに疑問を感じていました
わたくしのポーカフェイスは完璧でした
ですが苗木くんはそれに惑わされずわたくしの言葉に違和感を感じとったのです
そういえば一見どこにでもいる平凡なこの少年は学級栽培の時、意外な洞察力や推理力で事件を暴いていたではないか
夜時間出歩くのを控えるよう言ったわたくし本人が何度も出会るいているのは不自然
このままでは感づかれる危険があります
そうなっては計画に支障が出てしまいます
「苗木くん、女性は男性と違っていろいろいりようなんですよ。少しはデリカシーをもってください」
「えっ…あっ!ご、ごめんね!気がつかなくて…その……ごめんなさい」
慌てて気まずそうに顔をそっぽ向く苗木くん
冷静な思考が戻ってくる前にわたくしはさりげなく倉庫に向かうことにする
「それではわたくしはこれで失礼します。苗木くん、ではご機嫌よう」
背を向けて歩き出すわたくしに苗木くんは
「セレスさん気をつけてね…ボクはもうだれも人を殺さないと思っているけど、モノクマだっているし、できるだけ早く部屋に戻って休んだ方がいいよ」
心配そうな表情で見つめ、気遣っていた
全く…こんな状況で赤の他人であるわたくしを気遣うなんて、なんてお人好しでしょう
これからわたくしは自分の夢のためあなたたちを死においやる計画を建てているとも知らずに
でも…好感はもてま
す
損得なしに相手を心から気遣う優しさ
さすがわたくしがCランクにランク付けしただけはあらます
「ありがとうございます苗木くん。どうかお気をつけて」
わたくしはニッコリと苗木くんに微笑み、今度こそその場を立ち去りました