新ハヤテのごとくSS

□好きな人と付き合うためには
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数多くのぬいぐるみがある一室で一人の少女が悩んでいた

「ハヤ太くんと恋人になりたいなぁ〜」

ご存知のとおり、この少女の名は瀬川泉。自分の部屋のベッドでボロボロのぬいぐるみ抱きながら座っていた
最近泉はこのぬいぐるみを抱いているとなぜかハヤテのことを思い出す

「でも、ハヤ太くんの周りにはキレイな子やかわいい子が多いんだよね…」

ナギちゃん、ヒナちゃん、歩ちゃんにあのアイドルの子、クラスの子や他クラスの子
そして顔は知らないけどハヤ太くんの元恋人。とてもかなう気がしないよ…それにあの時のハヤ太くんの涙
きっと今でもその子のことが好きなんだろうな…

「このままじゃハヤ太くんと恋人同士になるのは難しいよ〜やっぱり策とかちょっと黒い性格がいるのかな…」

でも私には無理だ。策をめぐらすような頭脳持ってないし、悪だくみしてニヤリとするような腹黒さを持ってないし、そんな事する度胸もない
どうすれば





『わたしが手を貸そうか?』

謎の声が泉の耳に聞こえてきた

「えっ、だれ!?」

見回すが誰もいない
気のせいかと思う泉だが、声は再び聞こえてきた

『わたしが手を貸そう。そういう面はわたしにまかせろ』
「えっ、ちょっと!?」

その瞬間、泉の体が光った



翌日、白皇学院

ハヤテが教室に座っていると

「綾崎ぃーーー!!愛しているぞーーー!!!」

いつものように瀬川虎鉄のことホモ執事がハヤテを襲ってきた

「いい加減にしろー!このヘンタイ!!」

ハヤテに殴り飛ばされた虎鉄だが、すぐゾンビのようにムクっと立ち上がり再びハヤテにせまろうとする
しかし

「虎鉄くん、ハヤ太くんが嫌がっているよ。もう、こんなことはやめなよ」

「瀬川さん…」

なんと泉がかばうようにハヤテの前に現れ、虎鉄を止めに入った
いつもとちがうハヤテと虎鉄の状況にクラスメイトたちも気になりその場を見守る

「フッ…たとえ我が主の命令でもそれは聞けない相談だ。私と綾崎との間には運命の赤い糸で結ばれているんだ
 お嬢だろうが大統領だろうが私たちの愛は誰にも止めることはできないのさ!」

「ふざけるなー!!このヘンタイ!!誰がおまえなんかと!!」

ブチギレるハヤテ。虎鉄を叩きのめそうと前に出ようするが泉に手で止められた

「ここはまかせてハヤ太くん(ハート)」

泉はハヤテにかわいらしくウインクして言った

「…わかりました瀬川さん」

ハヤテは一旦怒りを収め、泉に任せてみた

「虎鉄くんどうしてもやめないんだね?」

「無論だ」

全く心を入れ替えない虎鉄に泉は溜め息を漏らした後、目をキリッとして言った

「だったら虎鉄くんの鉄道模型のコレクション全て破壊するよイ」

「ほ、ほ、本気か!?」

泉の宣言に余裕のある表情から一変して動揺し、青ざめた顔をなる虎鉄
よほど大事な物なんだろう

「本気だよ!ハヤ太くんがこんなに嫌がってのにやめようとしないんだもん!」

美希や理沙でさえ見たことのないまじめな表情ときつめの視線を虎鉄にぶつける泉
だが、効果は抜群だった

「うう…頼む!それだけは!それだけはやめてくれ泉!!」

泉が本気で言っていると理解した虎鉄は完全に冷静さを失い、泉に懇願する
普段使っているお嬢といういつもの呼び名を言い忘れるほどに

「だったら、もうハヤ太くんに付きまとわない?」

「うう…結婚はあきらめる……だが、愛人になら…」
「…やっぱり壊す」

「やめてくれーーー!!!」

こんな兄妹のやり取りが行われている頃、泉の脳内では

『うう〜やっぱり虎鉄くんがかわいそうな気が…』

映し出されている映像から虎鉄とのやり取りを
見るオリジナルの泉

『何を言っているの。そんな甘いこと言っていたら他の子に先越されるわよ』

その言葉に返事をしたのは今、泉の体を使っている誰か
その言葉に返事をしたのは今、泉の体を使っている誰か

『それにあの変態の問題はあの子(ハヤテ)と恋人になるにしろなった後にしろ障害になるわよ』

全くの正論に泉は何も言えなかった

『じゃあ変わるから後は普段どおりにね』

『あっ、ちょっと…』

その何者かは泉の了承も待たずに体の所有権を返した

ヒュン

突然体の所有権を戻された泉はとまどう
見まわすと少し驚いた表情しているクラスメイトたちやショックのあまり「燃え尽きたぜ…真っ白によ…」あ○たのジョーのように真っ白になってイスに腰かけている瀬川虎鉄がいた

そしてハヤテは俯き、なぜか震えている
泉は中から映像見ていたからこの教室の状況はわかるのだが、心の準備ができていなかった
とりあえずこのまま黙っていたら不自然に思われるのでできるだけいつもどおりの感じにハヤテに話しかけてみた
 

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