新ハヤテのごとくSS
□最後に君に会いたかった
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12月25日
多くの人々が楽しむこの日
光の当たらない暗い裏路地で一人の少年の命が尽きようとしていた
その名は綾崎ハヤテ。心無い両親に売られ、ヤクザから逃走
しかし世界は彼にどこまでも残酷だった
暴走大型トラックに跳ねられその先には快速電車が走っていて彼ははねられてしまった
全身骨折、出血多量もう助かることはないだろう。生きている事態奇跡だ
並の人間なら最初のトラックで死んでいただろうが彼の並外れたタフさがそうはさせなかった
(考えてみれば今まで不幸な人生だったな…)
ハヤテの走馬灯に浮かんだのは苦難と苦労ばかりの不幸な日々だった
そして最後に浮かんだのは
(アーたん…)
かつて一緒に暮らし、自分を救ってくれた。そして、傷つけてしまった少女天王州アテネだった
つらい人生だったけどアーたんと暮らした日々は幸せだったなと懐かしく思うハヤテ
(せめて…最後に君に会いたかったな………)
(アーたん…)
この日、綾崎ハヤテの命は失われた