咲降る日、急く
□主のいない日
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「ごめんなさい…春夏秋冬さんのお留守にお邪魔して…」
真亜乃は、主が仕事の都合で不在の時に中里家に突然訪れたことを詫びながら、寝起きの季朱の髪をさばいている。
「いえ…春夏秋冬様がいらっしゃらなくて寂しい思いをしていまして…すみません…髪を整えていただき…」
「真亜乃は好きだもんねー」
ルーブリーはジグソーパズルをしながら呟く。
「季朱さんの髪は綺麗ですね…」
ブラシが何の抵抗も無く流れる。
初めて会った時よりも艶が出ていた。
そして態度も大きく変わったことにも少し驚くが、打ち解けてくれることはおおいに嬉しい。
季朱は恥ずかしげにお礼を述べる。
季朱の髪のセットが終わり、ルーブリーもジグソーパズルを完成させる。
「これ…1000ピースありますよね…この短時間で…」
季朱の驚きなどお構いなしで、ルーブリーは糊を貼りながら今日の目的を言う。
「買い物に行こー季朱ー」