Spirit Ball
□与えられた使命
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……ゴクッ…。
風美は思わず息をのむ。遂に、あの雲のお方、聖水の所へと辿り着いた。
「ひょーでけー」
册は右手を横にして、それをおでこに当てながら、目の前の宮殿を見上げる。夕海は、気おくれした様子で、海奈を見ている。海奈は三人の事などお構いなしのように、スッと高い階段を上って行く。
「あっ、」
三人は遅れないように、海奈の後をついて行った。
「はー、はー」
階段を上りきった夕海と風美は、息が上がっていた。息切れが止まらない。
「だらしねーの」
同じく階段を上ってきた册は、二人の様子を見て、ふっと笑っていた。風美は怒りたくなったが、ここは聖地。争いなど起こすべきではない。
三人はまた見失いそうになる海奈の後ろをせっせとついていく。すると、大きな扉が現れた。海奈は、その扉を守っている人と目を合わせ、そしてその人が海奈を見て頷くと、海奈は大きな扉を開けた。
ギイ―。
扉が開く音と共に、三人が見たのは―
「…大儀であった―」
この国のトップ者―聖水。