咲降る日、急く
□大切な人
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すっかり眠っている季朱の頬を触る瑞樹。
「…こいつ女か?!!」
瑞樹は初めて知ったように驚く。
「まじか?!男かと思ったのに!」
シノアも運転しながら、瑞樹の言葉に驚く。
「あんまり触んない方がいいよ」
フレッゼは目を閉じていた。
「怒るよ」
フレッゼがそう言うと、瑞樹はククッと笑いだした。
「いくらお前が怒っても、この状況どうにもできないよ?」
瑞樹は全身縛られたフレッゼを見て、そう言い放った。
だがフレッゼの顔には笑みがあった。
「俺とは言っていない」
フレッゼは瑞樹を見た。
「春夏秋冬さんだよ」