咲降る日、急く

□季朱の御先祖様
1ページ/9ページ


季朱は夢を見ていた。

どこか遠い記憶。

やがてその景色が薄明るくなって―

消える。






―…。

季朱はまだ薄暗い中、眼を開けた。

昨日眠ったのは遅かったはずなのに、時計は5時を指していた。

昨日は、主の帰りと、真亜乃の目覚めを待っていた。

真亜乃の目覚めが早かった。

季朱は昨日起こったことを真亜乃に話した。

真亜乃はやはりそうでしたか…と言った。

どうやらとりつかれた事を自覚していたらしい。

そして説明の後で、季朱は疑問を尋ねた。

「…何故……マカさんは……春夏秋冬様に直接伝えず…この私に言ったのでしょうか……」

真亜乃は大きな目を伏せて、

「…きっと……春夏秋冬さんを守れるのは季朱さんであるという事だと思います…。季朱さんには強さがありますし……不思議な力がありますから……」


「……………えっ……?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ