咲降る日、急く
□私が知っているあの人
8ページ/8ページ
「誠人っ……」
ジュナは慌てて誠人を止めようとするが、誠人の一言でその行為は止まる。
「中里が俺達にしてきた事を、忘れたわけじゃないはずだ」
―…。
ジュナは掴んでいた誠人の裾を離した。
誠人はそのまま一歩一歩、戦っている最中の春夏秋冬に近付く。
それに気付いたのは季朱。
「っ!!」
季朱は考えるより先に誠人の前に立ちふさがった。
「…」
誠人は季朱を見下ろす。
「っ……」
季朱も誠人を見上げる。
お互い睨むようにして、季朱は剣を持つ。