咲降る日、急く
□私が知っているあの人
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ジュナが誠人の服の裾を掴んだ。
「…」
誠人は何も言わず、ただ戦いを見ていた。
ジュナが口を開く。
「……退いた方がいい…」
ジュナの一言にも誠人は一切反応しなかった。
「…やられちゃう…」
それでも誠人は戦いに魅入られるように見ていた。
「…誠人…」
そこでやっと誠人の眼がジュナの方に向いた。
「……」
ジュナはピクッとなった。
あまりにも、誠人が冷たい眼をしていたから。
「黙ってろ」
誠人の一言に、ジュナは俯いて何も言わなかった。
そこで誠人が立ちあがった。
「俺が片づけてやる」