咲降る日、急く
□私が知っているあの人
4ページ/8ページ
―好き―?
季朱は言葉の意味がよく分からなかったが―
「はい」
春夏秋冬の言葉に更に動揺してしまう。
「好きなんです、季朱が!」
「…………」
季朱は一瞬どころが、暫くの間固まった。
そして頬がだんだん熱くなるのを感じた。
しかし春夏秋冬は引かない。
「だからもうこの人には手を出さないでください。あとのお相手は、私が!」
「まっ…待ってください!私はまだ―」
季朱は自分はまだ戦えると言おうとした時。
「待て」
鋭い声が春夏秋冬の耳に入る。
「俺はまだ、戦えないと言った覚えはないが」
リュノスが春夏秋冬を睨み下ろしていた。
「…」
春夏秋冬は季朱から小刀を取った。
「春夏秋冬様?!!」
季朱は驚いて立ちあがる春夏秋冬を見上げた。
「二人ともいらしてくだい」
春夏秋冬はニコッと、眼を閉じて。
両手に剣と小刀を構えてそして。
「一気にいきますよ」
春夏秋冬の足が地を弾く。