咲降る日、急く
□季朱の御先祖様
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昨日の真亜乃との会話は信じられず、こうして朝を迎えた。
陽が昇り始め、空は明るくなる。
「……い………い……」
「……」
「おいっって!!」
「!!」
季朱はすぐさま振り向き、眉に皺を寄せた聖の顔を真正面から見る。
「っな!何か用か?!」
季朱は慌てて返事をした。
「ん」
聖は顔は季朱に向けながら、後ろを指差す。
辺りは木の枝や、葉が落ちていた。
そして季朱の右手には、少し緑が付いた剣。
季朱の顔は青くなる。
「っお前な!考え事しながら剣を振り回すな!危ないだろ!!ただでさえお前の剣の腕は上がっているんだからな!!」
「っ…え…」
季朱は、聖の剣の腕が上がったという言葉に少し嬉しさを感じた。
「…何笑ってんだ」
「……笑って…なんか……」
季朱は嬉しさが素直に出すぎて抑えられなかった。
聖は怒り剣を奪う。
「悩みが解決してから剣を振り回せっ!」