咲降る日、急く
□メロディーに言葉をつけて
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―…っ。
ダーン!ダーン!ダン!タッタッタ、タターン。
始まりはいつも叩くような音。
ダーン!ダーン!ダン!タッタッタ、タターン。
二つ目も勢いある打鍵の音。
タータータン、タッタタタタタータータ、
一つ目と二つ目よりは穏やかな様子で。
タータータン、タータンタター…
そしてまだ続きがありそうな終わり方。
季朱はそう思いながら、再びそのメロディーを聞く。
ダーン!ダーン!ダン!タッタッタ、タターン。
―…鍵盤を…叩く音…。
ダーン!ダーン!ダン!タッタッタ、タターン。
―…響く…打鍵の音…。
タータータン、タッタタタタタータータ、
タータータン、タータンタター…
季朱はじっと心にふと思いついたさっきの言葉を、メロディーに合わせてみた。
―けーん、ばーんを、たーたくおとー
―ひーびーく、だーけんのおとー…。
季朱はあっさり合うことを確認して、驚いた。
考え込んでしまう。
―
「どうしたんだ?季朱さん」
季朱ははっと我に返り、頬を染めながら微笑んでいるフレッゼを見た。
「…すみません……勝手に、フレッゼさんのメロディーに言葉をつけてしまいました…」
素直に白状して、フレッゼに申し訳なさそうに頭を下げる。
フレッゼはへえ、と呟いた。
「面白そうだな!是非聞かせてもらいたいな」
「っ!」
季朱は全力で断ったが、フレッゼは聞かない。
「お願いだ、季朱さん!」