長編 男主2

□第3話 Light and Shadow
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認めるのは悔しいが牧は俺より上手い
間違いなくこいつが海南のエースだ


牧が海南の光になってチームを勝利へと導くのならば
俺は喜んでこいつを…いや、チームを下から支える影になろう


『おう…悪りぃ何だった?』


「はぁ…人の話はちゃんと聞けといつも言ってるだろ?1on1だ!いくぞ」


え………マジかよ!?!?


「牧さん雑賀さんと組むんすか?2人の1on1凄そうだな〜」


信長が呑気に話しかけてきたが牧との1on1だけはホントに勘弁してほしい
むしろ信長に代わってほしいくらいだ


くそ〜せっかく褒めてやったのに人の気も知らねぇーで1on1を挑んでくるとは恐ろしい男だな
こうなったら意地でもやらねーぞ


『いやいや、高砂とかとやればいいじゃねーか俺は信長とやるから!!な?のぶなが君!』


横にいた信長の肩をがっちり掴んで逃げられないようにする
もうこの手を離したら終わりだってくらい力をこめて
流石の信長も何か感じたらしく大人しくなった


「空いてるのがお前しかいないんだ 早くやるぞ神そっち持ってくれ」


「はい」


信長の肩を掴んでいた手を牧に引き剥がされ反対側を神に引っ張られて無理やり連れていかれる


「が、がんばってください2人とも!」


「ほら、信長もそう言ってることだし諦めてください」


俺の左腕を引っ張る神が妙に嬉しそうに話しかけてきた


そりゃ見ている方はいいよな…牧の1on1は見応えあるしさぁ
でも相手させられるこっちの身にもなれっての…


「お前からオフェンスで始めるぞ」


牧からボールを受けとってその場でドリブルする
牧は腰を落として体勢を低くしてきた


「うわー!!牧さんすげー!!」


目の前の勝負に集中しようにもさっきから信長の声が無駄にデカくてイライラする


「雑賀さんファイトっす!!」


『うっせーよ信長!!ちょっと黙って…あ!?』


少し離れたところで見ている信長に向かって叫んだその一瞬に牧が突っ込んできたがなんとかボールをキープしてまた振り出しに戻した
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