短編
□web拍手 第四回
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web 拍手4
〜ある日の部室にて Misunderstanding〜
『ちょっ…先輩…っ…痛い…です』
「あ?大げさだなぁ ちょっとくらい我慢しろ」
『うわあっ‼……そんな…つ、強くしないでください…よ…』
部室の扉を開けようと伸ばした手が思わず止まる
扉の向こうから聞こえてくる声は紛れもなく三井と白瀧のものだが
その会話の内容が日常とはかけ離れすぎている
一体あいつらは何をしてるんだ?
こんな声を聞いたらイヤでも想像してしまうだろ?
白瀧は中学の時からの先輩である三井のことをすごく慕っているようだけどまさかあの2人はそういう関係だったのか!?
もし…そうだったとしてもこんな…部室なんかで…
いや待て…俺だけしかこの場にいないからまだいいものの皆が来たらどうするんだ
特に…
「おいメガネ君、そんなとこで何ボサッとしてんだ?」
嘘だろ…よりによってこのタイミングで桜木が来るなんて…
なんとか誤魔化さないと!
「さ、桜木!今なんか空いてないみたいだからまた後にしよう‼な?な?
」
「ぬ?でもなんか話し声が聞こえるぞ」
「うわっ‼まて桜木‼‼」
いきなり扉に手を伸ばした桜木を止めきれず部室の扉が勢いよく音を立てて開いた
もうダメだ…そう思って反射的に目をつむっていたが何も反応がないためおそるおそる閉じていた目を開いた
「なんだ木暮と桜木か いきなり開けるなよびっくりするじゃねーか」
「おぉ、悪かったなミッチー」
目の前の2人は予想していたような光景にはなっておらず
足を出してイスに座っている白瀧に三井が手当をしているだけだった
そうか…ただ手当してるだけだったのか…
にしても白瀧…あんな紛らわしい声を出さないでくれ…
『木暮先輩?どうかしたんですか?』
「は?いや……何でもない……うん…ははは…」
そうとも知らず普通に話しかけてくる白瀧を見てもう笑うしかなく
3人が他愛のない会話を始める中静かに俺は部室を後にした
続く……かもw