短編
□web拍手 第三回
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2月14日…いつもとは違う緊張した空気が部室に広がっていた
部室内には大量のチョコが詰められたダンボールがいくつも並べられている
「こ…これ全部ルカワのチョコなのか…!?」
「まさか…いくらなんでもそりゃねぇーよ花道」
そう言って宮城先輩と桜木はダンボールの中をあさりはじめた
「「………。」」
一通りあさると2人ともゆっくりとその場から離れ静かに椅子に腰掛けた
「おいおい、このくらいでなにショック受けてんだよ」
三井先輩が飽きれたように言うと2人が同時に立ち上がった
「ミッチーだってもらってねーぞ!」
「当たり前だ花道!元不良にチョコ渡す子なんている訳ないだろ」
「なんだと!?」
『まぁまぁ三井先輩!落ち着いてください』
2人に殴りかかりそうだった先輩をなんとか止める
「俺だって中学の頃はモテたんだぞ‼」
「ウソつけ!見栄張ったって無駄だぞミッチー‼」
『いや、先輩は中学の頃は流川に負けないくらいチョコもらってたよ』
「「なに!?」」
「ほらみろ!嘘なんかじゃねぇだろ‼」
先輩は勝ち誇った顔で豪快に笑っている
そのやり取りを黙々と着替えながら聞いていた流川が3人の元に近づき何かを呟いてそのまま部室から出て行った
静まり返る部室内…
だが沈黙は一瞬で破られた
「てめぇールカワ‼待ちやがれ‼」
「先輩に向かって失礼だぞ‼」
「俺をコイツらと一緒にするんじゃねぇ!」
壊れるんじゃないかと思うくらいの勢いでドアを蹴り開け3人は流川を追いかけていった
『ちょっと‼そんなことでムキにならないでくださいよ〜‼』
ダッシュで廊下を駆け抜けていく3人の後姿を渋々俺は追いかけた
はぁ〜今日も仕事が増えそうだ…
【END】