長編 男主2

□第2話 Rouge et noir
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もういっかい…

お?なんだまだやる気か?
俺そろそろ行かねーと記念撮影できないんだけどなぁ

………


そんな睨むなよ
悔しいんならもっと上手くなれ
そんで誰にも負けないくらい強くなってみせろ
その時にまた相手してやる
じゃあ頑張れよ…





〜第2話 Rouge et noir〜



久しぶりに見る校門を通り校舎から出てくる生徒を避けながら体育館に向かう


他校の制服を着て歩く俺が珍しいのか四方から視線を感じる
それにさっきからやけに辺りが騒がしい気がした


「おい」


気にせず歩いているといきなり後ろから声をかけられた


振り向くとガラの悪い連中がこっちに向かってガン飛ばしながら立っていた
上から下まで物色するように這わしてくる視線に少しイライラする


あぁ、みんなが騒いでたのはこいつらのせいか…


「何勝手にヨソの奴が入ってきてんだよ」


「俺たちに目付けられるなんて運の悪いコトだ」


呑気にそんなことを考えていたらいつの間にか逃げ道を塞がれていた
周りを取り囲まれたため進みたくても先に進めない


自分からこんな状況を作っちまうなんて何してんだ俺は…


首を捻ったり拳をチラつかせたり向こうはコッチをボコる気満々
まさか来て早々面倒くさそうな奴らに絡まれるとは思わなかった


絶対に手は出せない
牧やチームメイトに迷惑をかけるわけにはいかねぇし…


反射的に振り上げそうになる拳をぐっと堪え硬く握りしめる


「なんだぁ?デケー図体してる割に腰抜けか??」


『はぁ〜…もう腰抜けでも何でもいいからどいてくれない? 人の嫌がることしちゃダメってママから教わったでしょ?』


そう言って連中がポカンとしてる隙に逃げようと試みたがすんでのところで腕を掴まれた


「テメーふざけてんのか!?ナメてっと痛い目みるぞ!!!オラ!!」


目の前に迫ってきた拳に思わず歯を食いしばったが次にくるはずの痛みと衝撃が中々こない


「それはあんたらのほうだぜ」


よく見ると男の拳が俺の頬に当たる寸前で誰かの手によって阻止されていた


「お前らは…くっ、ほらさっさと行くぞ!」


リーゼントの男を見ると俺に絡んできた連中がそそくさと何処かに逃げていった
その様子を見て大笑いする数人の男


「アイツらに絡まれるなんてついてねーな」


「あんたどこの人?一体ここに何しに来たんだ?」


「洋平!あのブレザーの制服どっかで見たことあるぞ‼」


「ズイブンでかいな!花道と同じくらいか?」


何なんだこいつら…
見たところ悪い奴らじゃなさそうだが…
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