長編 男主2
□第1話 Rival disappeared
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なぁ大っきくなったら何になりたい?
オレか?オレはバスケットの選手だな
ばすけっとの選手?…
うん、あ!ほらあそこにボールもった人たちがいるだろ?
ああやってボールをドリブルしてリングにいれるんだ!
すげー!むちゃくちゃカッコいいな‼決めたオレもバスケットの選手になる‼
じゃあオレとお前はライバルになるな
お前にはぜってぇー負けねぇ!
オレだって負けねーよ!
しかもお前バスケやったことねーだろ?
うるさい‼オレだってやればできるし!
じゃあ大っきくなったら勝負しようぜ!
おう!約束な‼
〜Rival disappeared〜
「よーし、あと1セット‼これが終わったら今日は解散だ」
「「おう!」」
海南大附属の新キャプテンのよく通る声が体育館に響く
今年もバスケの強豪海南の名に憧れた新入生がたくさん入部してきた
だがその多くが厳しい練習に耐えきれなくなり毎年のことながらたった数週間のうちにどんどん退部していった
特にキャプテンが牧になってから今日みたいに監督が来てない日はさらにキツい練習が待っている
あの底無しの体力をもつ牧についていける奴なんているはずもなくラスト1セットが終わると1年は皆その場に座り込み肩で息をしていた
約1名を除いて…
「かっかっか‼このくらいでバテるなんてまだまだだな!」
そいつは座り込んでる奴らに向かって豪快に笑って偉そうなことを言っている
身長は俺よりかなり小さいくせに態度は一丁前
『なんだ元気だな〜信長!疲れてないのか?』
「あ、雑賀さん‼おつかれっす!NO.1ルーキー清田信長はこのくらいじゃバテませんよ」
『ハハハ!そーだなNO.1ルーキーにはこんくらいチョロいよな』
こう見えて信長は1年で唯一スタメンを取った男だ
監督も普段てきとーなこと言ってるわりには骨のある奴をちゃんと見つけてきたんだなと少し感心してる
信長の頭をグシャグシャと撫でてやると反応が犬みたいでおもしろく撫でまくってるうちにいつの間にか癖になっていた
『おし信長!そんなに元気なら俺と1on1しようぜー』
「マジっすか!やります!やります‼」
練習が終わり誰もいなくなった体育館で誘ってやるとすぐに1on1が始まる
信長はスピードもあり運動能力もかなり高かったが残念なことにあまり考えずにプレイしているのか単純過ぎて簡単に動きが予測できてしまう
いくら能力が高くてもこれじゃ流石にまずいだろうな…