大家Cの書庫
□倦怠マイハート
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イベントシーズンが到来したおかげで、生徒会には多くの案件が立て込んでいる。
まずは体育祭。その後に文化祭で…部費の割り当て会議も月の終わりに挟み込まれ、終いには会長がクリスマスパーティーとか企画をしやがったおかげで、より忙しさが増した。
元凶の会長はといえば企画や進行、経費諸々は全てオレら任せにしやがって、逃亡。
そんなこんなでも何とか1つ2つとイベントをこなしていき、残るは生徒会長様考案の抹消したいほど面倒なものを残すばかりとなった。
今日も今日とて放課後の生徒会室でダラダラと…時にキビキビと企画会議が行われ、気がつけばもう夕方6時過ぎ。
冬の練習は早めに終わるように顧問から云われているためか、野球部が部活終了の掛け声をしているのが3階にある生徒会室まで聞こえた。
副会長の号令により生徒会役員も解散となり、それぞれが各々に室内から出て行く。
後は内容を詰めて会長に目を通してもらえば、とりあえずは一段落するまで話が進められた。
大きく伸びをして肩を回し、パイプイスの背もたれに背を仰け反らせる。
もうなんもやる気しねー…。
「それじゃあ、先に失礼するね」
「あー、はい。お疲れ様です」
疲労を感じさせない頬笑みを残して副会長も室内を後にし、ぼっちになった。ついでに電気も消された。…副会長は本当に抜かりなく人が悪い。
橙色を超え濃い藍色に満たされた箱の中、小さく息を吐く。
月明かりと星明かりだけが、ちらちらと光を与えた。
身体を元の体勢に戻し立ち上がる。
戸締りして、オレもさっさと帰ろう。
窓のカギを1つ1つチェックをして最後のカギに差し掛かった時、ふとグラウンドに見知った人物を見つける。
夜目が利くおかげで見えたソイツは、確か同じクラスの…。
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