ショート(復活)

□あれ。それ。視線。
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今日も今日とて忙しい雲雀。そんな雲雀を綱吉が手伝う風景は今や見慣れたものだった。

「ねぇ、綱吉。あれとって。」
「あ、はい。これですね。はいどうぞ。」
「うん。」

綱吉は顔もあげずに指示した雲雀にファイルの並んだ棚から赤いファイルを手渡す。

「あ、雲雀さん。あれください。」
「ん。」
「ありがとうございます。」

綱吉の言葉で雲雀が机の引き出しからホッチキスを取り出し、綱吉に渡す。

黙々と作業をこなす二人…

そこで雲雀がふっと顔を上げて綱吉を見る。
同じタイミングで綱吉も顔を上げる。

二人の視線が交差する。

雲雀はふわりと柔らかく笑い、綱吉は頬を染めながらはにかむ。

「「あと少しだから待ってて(ください)。」」

二人の口から出たのは同じ言葉だった。




その様子を実は部屋にいた草壁は後にこう語る…





あれは…熟練夫婦の呼吸の新婚の空気だったと…

(綱吉。そろそろあれにしよう。)
(そうですね!!)
(あの…お二人とも、あれとは?)
((休憩))
(…そうですか…)

                 Fin
              2012.11.25
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