ショート(復活)

□小さな手
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先日、とあるファミリーが近隣の住民に対して不当な扱いをしているとい言う報告があった。
調査の結果…「黒」と判断され、ドン・ボンゴレ自ら制圧に赴いた。
中小ファミリーだったためになんなく制圧は完了。そのまま後を部下に任せて綱吉は本部へと戻る途中で、子供が飛び出してきたのだ。

「君。どうしたn…」
「マフィアなんかみんなみんな死んじゃえばいいんだ!!!!」
「!!!!」
「おいこら!!坊主!!なんてことを!!」

町の子供だと思い、声をかけようとした時…
叫ばれた幼いながらも憎しみのこもった叫びに驚き、一瞬固まってしまった。
部下がその子供に迫ろうとするのにハッと我に返り、押しとどめて子供へと近づいた。

「ねえ。」
「来るな!!お前もマフィアなんだろ!!?どうせ助けたってまた同じことするんだ!!また俺から家族を奪っていくんだ!!」

怒りと恐怖に震える小さな体に悲しみが沸き起こる。
そして、憎しみの目でにらみあげてくる子供の目の前にしゃがんだ。驚く子供のかたく握りしめられた手をとり、目線を合わせる。

(この子は…こんな小さな手で…)

「家族を守りたいの?」
「……。」
「マフィアが憎い?」
「当たり前だ!!全部、全部!!奪っていった癖に!!」
「ごめんな?」

子供は大きく驚きに目を見開いた。綱吉は悲しみと慈愛のこもった目でまっすぐ見つめながら続けた。

「つらい思いをさせてごめん。でも、これからは無い様にするから。だから、許してくれとは言わないけど…憎しみで自分をいっぱいにしないでくれないかな?」
「な、に…いって…」
「許さなくてもいいから。でも、君はあたたかい手をなくさないでいてほしいんだ。」

子供はじっと綱吉をみる。目は逸らさなかった。
やがて唇をかみしめて、小さくうなずいた。
綱吉は「大空」と称される笑顔で笑い、子供の頭を撫でた。
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