リクエスト

□これでも文句があるだろうか
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ザンザスはいつものような王者然とした態度をかけらもなくして茫然と目の前の美女もといスクアーロを見つめる。
スクアーロはその視線に耐えられずにかすかに目を伏せる。その仕草がまた絵になりすぎてザンザスは思わず息をつめた。


「?ボス?どうしたんだぁぁ?」
「っ!?なんでもねぇ!!どカスが!!しゃべんじゃねぇ!!」
「はぁぁ?」


スクアーロが理不尽と思われるザンザスの発言に抗議の雄たけびを上げる。
そのいつもの感じに安心するも、なぜこんな動揺する格好をしているのかと怒りがわいてきた。
その気持ちのまま盛大に舌打ちする。


「チッッ!!このカスが!!」
「なぁ!?」
「なんでそんな恰好していやがる!!」
「…いや、それは…だなぁぁぁ…」


グッと詰まり、いきなり歯切れが悪くなったスクアーロにザンザスが眉を寄せる。
スクアーロはアーだのウーだのを繰り返し、
ちらりと同じ目的で侵入した…侵入させた大ボスを見る。
あちらはなにやらピンクの空気でスクアーロはもうしばらく言葉を濁しつつ、
いらつきを募らせるザンザスの相手をすることになった。












「迎えに来ましたよ。」


そう言ってほほ笑む少女のような女性もとい綱吉。雲雀は茫然と手を伸ばす。
どこから見ても女性にしか見えない。
本当にこれは綱吉なのかとその滑らかな頬に触れる。
そっと撫でられる仕草にくすぐったそうに肩をすくめる。


「本当に綱吉なの?」
「そうですよ?」


信じられないんですか?と睨みあげる。
ウッと雲雀が少し視線をずらした。
その仕草を不思議に思うと同時に気に入らなく思う。
だから綱吉はグイっと雲雀の顔に手をかけ、すれ違った視線を強制的に戻した。


「っ!?つ、綱吉!?」


いつになく強引な綱吉に驚き、目を見開く。
綱吉はその反応に満足げにうなずき、にこっと笑いかける。
雲雀の頬がにわかに赤くなる。
これはまずいかもしれないと内心焦った。
あまりにも似合いすぎる。
直視しきれず視線をわからないくらいにずらす。

……僕は幾つだ、中学生か!!!



「つ、なよしは…どうしてここに?」


動揺を悟られまいと平静を装って聞く…が、どもった。
それに気づかないふりで綱吉がどうしてって?と首をかしげる。
やめてほしい。雲雀は切実に思った。
そんな雲雀の様子に満足したのか、綱吉はくすりと笑うと雲雀に笑いかけ、
ちらりとお隣で何やら騒がしい二人に視線を向けた。
そこでスクアーロと視線が合う。
やっとか!!と視線で告げられごめんと同じく視線で謝った。
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