ショート(復活)

□猫の王子様
1ページ/3ページ




起きたら猫でした。



「にゃぁ!?(うそ!?)」

あまりの異常事態に綱吉は悲鳴を上げる。だが、それも猫ではただの鳴き声にしか聞こえなかった。
なぜこうなったのか…頭を抱え込む。頭の当たるのはやわらかい肉球だ。

(え〜と…確か応接室に来たらヒバリさんがいなくて、待ってたら……俺、寝ちゃったのか…)

あちゃ〜と自分に呆れる。
しかしそうなると、どうしてこうなったのかまったく心当たりがなかった。
なんで、どうして…この疑問が頭の中でぐるぐると回る。そうしてパニックになった綱吉はすっかりと忘れていた。
この場所がだれの根城なのかということを。




「綱吉?」

音も立てずに雲雀が応接室へと戻ってきた。綱吉がビクッとはねる。そして慌てて隠れようとした。
まずい、今見つかったら確実に追い出される…!!校内に動物がいるなんて雲雀が許すはずがない。
そう思って隠れようと今し方までいたソファから降りようとして…

「ふぎゃ!!!」

落ちた。猫なのに落ちた。さすが猫でも綱吉だ。
そしてその時に上がった鳴き声に雲雀が気づかないはずもない。

「………猫?」

ふわっと持ち上げられる。
目の前にきた雲雀の顔のドアップに赤くなる頬もないのに顔が熱くなったように感じる。
ピキンと持ち上げられたまま固まる綱吉(猫)。
そんな綱吉をじっと雲雀は見つめていたかと思うと、何を思ったのか…顔を近づけ、その鼻先に


ちゅ…



可愛らしい音を立ててキスをした。
綱吉の頭が真っ白になる。
顔にさらに熱が上がった気がする。すると、その時…ボンっと派手な音が響いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ