ショート(復活)

□人はそれを
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「ねぇ、赤ん坊。」

たまたまリボーンがいて綱吉が不在の時に部屋に来た雲雀。
待っている間、お茶をしている時に今まで黙りこくっていた雲雀が声を発した。

「なんだ?」
「聞きたいことがあるんだけどいいかい?」
「いいぞ。」

珍しい雲雀の様子にリボーンが面白そうだと内心ニヤリとしながら即答する。

「…草食動物を見てイライラするのは、やっぱり気に入らないからかな?」
「は…?」

リボーンは予想外の質問にヒットマンらしかぬ間抜けた声を上げた。
そんな珍しい反応を見せることに成功した本人はそんなことは知らずに真剣に答えを待っている。リボーンは痛むこめかみをもみながら答えを絞り出した。

「…ヒバリ。それはどういう時だ?」
「……?」
「つまりだな。それはどういう時に見た時にイライラするんだ?」
「ああ。それは群れていたり、僕を見て怯えた時かな。
無性にイライラして落ち着かないし、いつのまにか視界に入っているから見ない日は無いし…やっぱり僕はあの子をかみ殺したいのかな?」

特定の個人らしい。もう決定的だった。
しかし、自覚なしに首をかしげる泣く子も黙る風紀委員長の様子に、リボーンは早々に聞かなければよかったと後悔し始めていた。
この無自覚に甘ったるい事を吐く男を相手にするのかと思うと、今飲んでいるエスプレッソが激甘になった気さえした。

「……ヒバリ。」
「なんだい?」
「そのほかに思ったことはねぇのか?」
「あるよ。」
「なんだ?」
「あの子の笑顔が見たい。」

そんなセリフを素ではける奴はイタリア男だけかと思っていたぞ…と若干遠い目になった。
心底答えを待っている雲雀にリボーンはため息交じりにやけくそ気味で返答する。

「ヒバリ…一般的にそれはな…」





恋と呼ぶ

(恋?僕が?あの小動物に?)
(相手はツナなのか……もう好きにしてほしいぞ…)
                                       Fin
                                        2012/11/18


→あとがき
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